資本主義が行き詰まった今こそ、マルクスが必要だ

2020/3/22
いま私たちが当たり前のように考える「経済ってこういうもの」という枠組みの大本には、先人たちが積み重ねてきた思想がある。時代を経て「古典」として位置づけられる書物を改めてひもといてみたい。名前は知っていても、著書を読み通したことはないという人は多いだろう。

アダム・スミス、ケインズに続いて取り上げるのは、カール・マルクス。ソ連、中国はじめ社会主義国が打ち立てられる時、革命の精神的支柱となった。

だが、マルクスの主著『資本論』は実は、革命について書かれた本ではない。そこには資本主義とは何か、そしてその限界がつづられているという。

解説してもらったのは大阪市立大学の斎藤幸平准教授。2018年にマルクス研究界最高峰であるドイッチャー記念賞を最年少で受賞した気鋭の研究者だ。

「マルクス? フッ」と鼻で笑う人こそ、マルクスの言う通り、資本主義の呪縛に絡め取られているかもしれない。

資本主義だけが選択肢なのか?

今の時代にこそ、マルクスが必要です。なぜなら、資本主義が完全に行き詰まっているからです。