ケインズ理論「政府は経済に介入すべし」の3つの誤解
NewsPicks編集部
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「ケインズ=政府の介入」となったのは、1986年にノーベル経済学賞を受賞した公共選択論のJ.M.ブキャナンの影響もかなりある。
ブキャナンは、共著『赤字の民主主義』(邦訳書は日経BP社刊)
https://shop.nikkeibp.co.jp/front/commodity/0000/P50530/
で、ケインズ経済学全盛の1970年代に、不況時の財政赤字を好況時の財政黒字で相殺するというケインズの処方箋を痛烈に批判して、経済学界の内外で有名になった。ケインズは政府の介入以外にも様々な論究があるが、ケインズ政策=赤字財政と印象付けたのは、ブキャナンのケインズ批判によるところが大きい。公共選択論も専攻する私も、この本に影響を受けた。取材中に幾度となく「えーっ!!」と驚きの声を上げてしまいました。
だってケインズ先生ときたら、分かってもらいたくて相手の土俵に乗ったのに、かえって分かりにくくなって誤解されるとは。それでも狙った通りに世の中のモードが変わったけれど、真意が伝わっていないから覆ってしまうなんて・・・いやはや。心残りすぎて、そのへんに幽霊がいそうです(英国だけに)。
前回のアダム・スミスもそうですが、時代状況が変化したなか、古典はそのまま適用できないかもしれません。ただ、問いかけの本質は通じます。「今の常識を疑え」というケインズ先生の叱咤が聞こえてきます。