[東京 6日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>のディディエ・ルロワ副社長は6日、英政府が2035年にこれまでは対象外としていたハイブリッド車(HV)の新車販売も禁止する政策を表明したことについて、「世界中のメーカーや英国の顧客にとって大きな問題になる」と指摘し、英政府と今後6カ月かけて協議していくことを明らかにした。2019年4―12月期決算会見で述べた。

ルロワ副社長は、HVについて「手ごろな価格で、非常に実用的で信頼性が高く、迅速に世界レベルでCO2(二酸化炭素)削減に貢献できるため、非常に重要」と指摘。CO2削減目標を達成するためには、電気自動車(EV)以外を「全部ただちに禁止しようとするのではなく、段階を踏むことが大事だ」との考えを示し、英政府が「何を求めているか知ることが必要だ」と語った。

そのうえで、「英政府は自動車メーカーを含むすべてのステークホルダー(利害関係者)と議論し、今後6カ月間でともに何をすべきかを決めたいと言っている」と語り、35年のHV販売禁止は「決定事項ではない」とけん制した。

英政府は、気候変動問題への取り組みの一環として、CO2を直接排出しないEVなどの普及を促すため、これまでガソリン車とディーゼル車の販売を40年までに全面禁止する方針を打ち出していたが、HVは対象外だった。これを今回は達成時期を5年前倒しし、HVも対象に含む方針に変更した。もし実現すれば、HVを武器に環境対応車を普及させてきたトヨタにとって大きな痛手となる。

(白木真紀 )