ＹＫＫが新しく工場を作るアフリカの意外な国、欧米への供給拠点に
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注目のコメント
YKKは2017年からエチオピアに拠点を持っているので「意外」でないですね。
数字にはまだはっきりでていませんが、米中貿易戦争、中国の人件費高騰、いまの新型コロナ、EUにおける製造拠点移動などの動きが、エチオピアおよび他のアフリカでのアパレル製造を後押しすると見ています。
ただ、日本のアパレルに関しては、品質チェックの内容・水準がヨーロッパやアメリカのアパレルと違う点や、小さなアパレル企業が多く発注量が少ない点、また資金繰りがタイトで自社で行わない点などが、なかなかアフリカに移行できない障壁となっています。とはいえ、バングラデシュに生産地を拡大するときも同じように言われていたとのことなので、時間の問題かなとも思っています。
YKKは日本のマーケットのみを対象にしているアパレルとは違い、現地にある欧米（エチオピアの輸出先は他のアフリカの国とは違い米より欧州）に輸出している工場へのサプライなので、問題なしです。
エチオピアの縫製工場・工業団地
https://abp.co.jp/perspectives/business/EthiopiaIndustrialZone_2019.html
エチオピア製Tシャツが日本のメガブランドから発売されるまで
https://business.nikkei.com/atcl/report/15/250027/051800003/YKKは富山に実質的な本拠のようなもの。もともと、戦時中に工場を失い、戦後に富山県魚津市の会社・工場を買収、そこから復活、成長した会社。本社は東京にあっても、開発など重要な本社機能を富山県黒部市に移しています。
こちらの記事も。
https://shuchi.php.co.jp/voice/detail/4206
トルコで増築という話も興味深いです。縁あって一昨年はトルコに何度か行く機会がありましたが、日本企業の進出は少ない。情勢不安のイメージが先行していますが、実際はそこまでではなく、人口8000万人で一人当たりGDPは1万ドル越え。国内市場はなかなかの規模であり、中東・北アフリカ・中央アジア、そして欧州への拠点としての魅力もある国です。
実質的な富山発グローバル企業として、YKKは興味深い。既定路線。
国内の経済水準が上がり中国などの東アジア→現地の経済水準が上がり東南アジア→南アジア→アフリカ。
その先はまだ答えが出ていない状況。製品価格に反映をして値上げが必要だけれど、消費者の心理がそこに追いつけずに全体としてインフレが進んでいるかのような錯覚に陥る。
何かの犠牲の上に成り立っているのは、アパレル縫製業以外も同じだろうし、これが経済というものなのかなぁ…良くない未来が見えているのにそれを変えることはできないのだろうか…
