[4日 ロイター] - ニューヨーク証券取引所(NYSE)親会社のインターコンチネンタル取引所(ICE)<ICE.N>は4日、「一連の潜在的機会」を模索するため米電子商取引大手イーベイ<EBAY.O>に接触したことを明らかにした。

これより先、事情に詳しい関係者は、ICEがイーベイに買収を打診したと述べ、買収額は300億ドル以上になる可能性があるとしていた。

ICEは、世界中の出品者と購入者をつなぐイーベイのマーケットプレイス事業の効率性を、取引所の運営に取り入れたい考え。

ICEは発表文書で「イーベイは有意義な形で協議に応じていない」とし、このためイーベイの全体または一部の売却に関する交渉は行っていないと説明した。

両社の協議について最初に報じた米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ICEが取得に関心を示しているのは主にイーベイのマーケットプレイス事業で、イーベイが売却を検討している広告事業ではないもようだ。

イーベイはコメントを控えた。

報道を受けてイーベイの株価は急伸、ICE株は売られた。終値はイーベイが約8.8%高、ICEが約7.5%安だった。

イーベイに対してはこの日、物言う投資家のスターボード・バリューがクラシファイド広告(テーマごとに整理された広告)事業を売却するようあらためて求めた。

スターボードはイーベイの取締役会に宛てた書簡で「最も望ましい結果を出すために、クラシファイド広告を分離すべきで、中核のマーケットプレイス事業で利益の出る成長を達成するため、より包括的で積極的な事業計画の策定が必要だ」とした。

イーベイは書簡を精査するとコメントした。

同社はネット通販でアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>やウォルマート<WMT.N>などとの競争が激しくなるなか、広告や決済事業に経営資源をシフトさせてきた。

*内容を追加しました。