あなたの組織にも「ソンタック」がいませんか?
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日経ビジネスオンラインにて、 北野唯我さんと対談をしました。
今回は3回シリーズの第1回目です。
とても楽しい対談でした。
第1回目は、お互いにわかりあえていないことに向き合うことの大切さについて語り合っています。
わかりあえていないということに向き合う、というのは、とても面倒くさいことに思えますが、むしろ、向き合わないことの面倒くささに目を向けていくことが大切ではないかと思っています。
記事の中でも語っているように、今、対話の方法について開発中ですが、結局何をやっているのかというと、色々な出来事や問題が生じた過程を紐解いていく作業をしているのだなと思います。
そんなことをやっている時間はないよ、という人もいますが、やらないから前に進まないので時間がなくなるという側面もあるのではないでしょうか。
実は外から何かを必死に取り入れるよりも、自分たちの「あいだ」にこそ、発見したら面白いことがたくさんあると思っています。
それと、インタビューの冒頭、北野さんから「なぜ今この本を書いたのですか?」という質問を頂きました。
これは結構面白い問いで、正直に言うと、私のような理論研究者からすれば、元々は時代性というのはそれほど考えたことはありませんでした。
というのは、自分としては研究する中で、「ナラティヴとか対話って、経営や組織を考える上で中核になりうる概念じゃないか」と段々と思うようになっていったからです。つまり、対談の中でも語っていますが、「今必要というよりも、人類にとってずっと必要な考え方だったから」だと思っていたのです。
でも、よく考えてみると、自分がそう思うに至る背景には、確かに東京に戻ってきてから、色々な方と接点ができる中で、自分の話した内容が「あー、それは大事ですね!」というフィードバックがたくさんありました。そういう中で考えが深まっていったなあと、記事を読み返しながら思っているところです。
考えが形になっていくのは、僕一人の力ではなくて、多くの人の声の産物なのだと思います。
そう考えると、私たちは他者を必要としているのだなと改めて思っています。共感した内容を抜粋すると、
「つまり、批判すべき問題はいくら挙げてもきりがない。批判の目的は『良くするため」であるはずなのに、自分は外野から批判することに何の意味があるのだろうかと思うようになったわけです。」
「しかし、『関係性として社会や世界を捉える』というアプローチは、中国古代の老荘思想やヨーロッパのアリストテレス系統の思想から継がれてきたものであり、『今だから重要になった』というより、人類にとって『ずっと重要だった』ものなんです。」
「要するに、いかに我々が分かっていないかを分かる必要がある、ということ。なぜ目の前で不都合や不愉快な現実が起きるのか、その背景についてよく観察する必要性に気づくことが、課題の解決につながる手がかりになると思います。」
「手っ取り早くノウハウに依存する前に、何が問題なのか、何に困っているのかを丁寧に解きほぐしていくことが大事だと思います。」
宇多川さんの研究者としての分析と北野さんの経営者としての発言になかなかのコントラストがあって面白い。日経ビジネスでの連載で、宇田川先生との対談が公開されました。宇田川先生の本の中で一番印象的だった部分が「戦略という言葉の暴力性」でした。言われてみると、「新規事業」という括りは、「既存と新規」という概念を生み出し、そこに暗黙的な上下関係を生み出しかねません。
その際たる例が「戦略」という言葉、という指摘はなるほど、と思えるものでした。わかりやすくまとめてくださった、ライターの宮本さん、宇田川先生、編集の大竹さん、ありがとうございました。