【解説】エーザイが開発した、「夢の治療薬」の実力

2020/1/17
認知症患者は日本国内だけでも約600万人。今後はさらに増加傾向が見込まれ、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるという試算もあります(参考文献1)。
もはや、誰にとっても他人事とは言えません。そして、この認知症の最も多い原因疾患が「アルツハイマー病」です。
アルツハイマー型認知症に対し、ここ20年ほどで100を超える薬剤が開発されました。製薬企業からすれば、それほど大きな市場なのです。
しかし、承認されたのはわずかに4つ。他の薬剤は全てが失敗に終わり、消えていきました。また、承認された薬剤にも批判的な声が絶えません。
そこに2019年、風穴をあけるような報道が出ました。
米国バイオジェンとエーザイが開発する認知症の新薬「アデュカヌマブ」が、認可を狙う
このニュースは医療界でも話題を呼び、バイオジェンの株価が急騰するなど、市場も反応を示しました。
今回の記事では、このニュースの背景と、今後の展望について解説していきたいと思います。
(写真:FredFroese/iStock)

「認知症」の定義を知っていますか