金融ビジネス手数料消滅時代の生き残り策は「脱・金融」という逆説
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他の方も指摘されていますが今の金融業界の問題は「銀行に特別な与信判断の能力があるわけでもないことや、証券会社・運用会社に特殊な投資判断の能力があるわけでもないこと」ではありません。
金融、とりわけ銀行部門のビジネスはマクロに規定される「機会の限界」があることで知られています。この絶望的な低金利環境とそれを欲するマクロ環境が最大の問題なのであって銀行や証券の能力が変容した訳では全くありません。もっと言えば銀行は最大の安全資産である預金を裏付けに持つわけですから「特別な与信能力」を必要とするハイリスクハイリターン的な投融資が求められる主体ではないはずです(それをやるのがファンドです)。
あと、そもそも最近の金融業界はむしろ収益性の問題から手数料を取る方向に向かっていると思います。「最近、金融ビジネスの手数料がゼロに向かっているというニュースが多数報じられている」というのも説明が必要な印象です。運用面ではそうでしょうが、銀行部門はそうではないかと思います。色々論点を混ぜすぎている印象があります。
全体的に言わんとしていることは分からないでもありませんが、現状の問題意識に賛同しかねました。日々の生活活動、社会インフラの整備、学習、地球環境改善などなど、人にはいろんなモノやサービスへのニーズがあって、一方で人はそれを購うための膨大な金融資産を持っています。
モノやサービスは“実物”で、それを生み出す人や会社が存在します。金融資産の多くは預金などの姿をしていて“実物”ではありませんが、送金が手書きの振込依頼書を使って銀行の窓口で行われている時代には、貨幣という“実物”をイメージすることができました。モノやサービスの生産者と金融資産を仲介するのが銀行であり卸・小売りといった中間事業者です。
時代が変化して「お金は単にデジタルなデータ」になったとありますが、実は、モノやサービスもデジタル化しています。アマゾンや楽天市場でモノを買おうとクリックしたとき、そこに商品はありません。人はコンピュータ上のデジタル情報を信じてお金を払っているだけで、コンピュータ上でデジタル情報になっていない商品は売ることも買うことも出来ず、存在しないのと同じです。
デジタル情報のやり取りに銀行や証券会社、卸、小売りといった“仲介事業者”は無用です。だから銀行や証券仲介業者の手数料が消え、卸や小売り事業者の中間マージンが減り、そもそも無用ということになって行く。『銀行の機能が、お金を預かること、お金の貸し借りをすること、だとすると、デジタル化されたお金に物理的に大きな金庫は必要ないし、貸し借りに伴う情報処理は、人間ではなくいわゆる人工知能(AI)の方が得意で効率がいい。銀行機能に「銀行員」は必要なくなる。』という流れはそういう構図の中で起きていて、物流の実店舗が苦戦するのと同じ構図です。
銀行を含む金融機関には人々のお金を預かったり委託されたりして増やす役割もあったけど、これとても、お金とモノやサービスを生む事業者の間を上手に取り持って、より多く増やしてくれそうな事業者にお金を流すだけのこと。ノウハウ無用でデジタル情報が自動的に投資先を選択するインデックス運用が拡がると、稼ぐ余地が無くなります。そういう中で金融機関はどのように生き残るのか。
「筆者自身が証券マンであるわけだが、生き残りのためには、証券に関わるエンターテインメント的なコンテンツを生産する方法を身につけていく必要がある」・・・ 一つの見方として面白い
( ..)φメモメモ
化石になった元銀行マンはどうしよう (^^;ビル・ゲイツが「banking機能は必要」と言ったそうですが、現在提供されている広義のbanking機能はこんなイメージでしょうか。
顧客のバランスシート
・財の保管
・財の運用代行
・資産流動化
・与信
・保険機能の提供
・出資
顧客の事業
・社会的信用の付与
・経営/財務のコンサルティング
顧客の取引
・決済の融通
・マーケットメイキング
・取引の代行
・市場情報の集約・提供
・取引・権利義務の記録
改めて書き出してみると、(色々言われていますが)やっぱり与信ノウハウ(審査、モニタリング、回収)と大数の法則(リスク分散効果)がBanking事業者の本質的な強みのように思います。。