【有馬誠】楽天と「バルサ・NBA・イニエスタ」のこれから

2019/12/19
スペインサッカーのFCバルセロナ、NBAのゴールデンステート・ウォリアーズ、そして、東北楽天ゴールデンイーグルス、ヴィッセル神戸など、楽天とスポーツの関わりは深い。

サッカーや野球、バスケットボールだけではない。

2018年には、障害物レース「スパルタンレース」とグローバルパートナー契約を締結。2019年には、男子テニスの国別対抗戦「Davis Cup」とのグローバルパートナー契約を発表するなど、スポーツの範囲はどんどん広がっている。

楽天は、今後スポーツへの取り組みをどうしていくのだろうか。

現在、楽天でスポーツ事業のトップを務めるのは、有馬誠副社長だ。ヤフー(現Zホールディングス)社員第1号・元取締役であり、グーグル日本法人では社長も務めた人物は何を語ったのか。NewsPicks編集部との独占インタビューに応えた。
有馬 誠(ありま・まこと)楽天副社長執行役員、メディア&スポーツカンパニープレジデント
1956年、大阪府大阪市生まれ。1980年、京都大学工学部卒業。倉敷紡績(クラボウ)、リクルートを経て、1996年ヤフーに第1号社員として入社。2000年に常務取締役。2010年グーグル日本法人に入社。同年5月に代表取締役。2017年7月、楽天の副社長執行役員CRO(チーフレベニューオフィサー)に就任。同時に楽天と電通によるジョイントベンチャー、楽天データマーケティングの代表取締役社長に就任。インターネット広告市場の黎明期から携わり、「日本のインターネット広告の父」とも呼ばれている。(撮影:佐々木 龍)

「上から攻める」

──FCバルセロナ(バルサ)に4シーズンで256億円、イニエスタ選手獲得に3年で100億円など、巨額のお金をスポーツに使っています。楽天のスポーツ事業も担当する役員として、どのように考えているのでしょうか。
有馬 大きく言うと、今は、お金を使うだけではなく、マネタイズ、つまりお金儲けをしていこうというフェーズに入っています。
スポーツマーケティングからスポーツビジネスへ進化しつつあるというのが今の状況です。
僕が楽天に入ったのは、2017年7月で、当時から三木谷(浩史会長兼社長)はこう言っていました。「楽天は何としてもグローバルな企業になりたい」と。
それも、おもてなしとかチームワーク、謙虚さのような日本独自の特質やカルチャーを生かして、日本発の世界企業を作りたいというのが根っこにあります。
楽天に入って2年半ですが、僕自身も本当にそうしたいという思いを持っています。