【楽天】副社長が明かす「社員1万人超え」で迫られた人事改革

2019/12/10
楽天の社員数は今や、グループ会社を合わせると1万9000人を超えている(2019年9月)。直近の5年間を見ても、平均して1200人以上が毎年増えている。

社員が急増する中で、楽天を辞める人の数は「年間1000人規模にまで増えたこともあった」(元社員)という。

また、12月5日に明らかになったようなパワハラもあった。2016年、業務中に上司から暴行を受けて首を負傷し、うつ病も発症した元社員の労災事件である。

果たして、楽天での働き方はどう変わっているのか。

NewsPicks編集部は元楽天社員や現役社員にも取材し、彼らの意見を、人事担当の百野研太郎楽天副社長執行役員・COO(最高執行責任者)にぶつけてみた
百野研太郎(ひゃくの・けんたろう)楽天副社長執行役員・COO(最高執行責任者)・シニアディレクター
1990年、トヨタ自動車入社。17年間にわたって日本、米国、欧州を含む10カ国以上で、同社のグローバル展開、海外事業、オペレーションコンサルティングプロジェクトなどを担当。2007年2月、楽天執行役員。2009年7月、常務執行役員。2010年に始めた社内公用語の英語化で陣頭指揮を執る。2013年3月、取締役。2017年4月より現職。楽天モバイル、楽天ペイメント、楽天メディカルで取締役も兼務。52歳(撮影:佐々木龍)

「社員は家族」が基本

──社員数が急増する中で、人事面で最も大切にしていることは何でしょうか。
百野 楽天では「社員を家族として扱う」という考え方を持っています。そして、それを体感できるようにさまざまなことをしています。
2年半くらい前に現職に就いた時に、三木谷(浩史会長兼社長)とも話し、毎年これだけ社員が増えると、さまざまなことが“薄まってしまう”と話していました。
もちろん、楽天グループは、「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」ことをミッションとし、従業員が共有すべき価値観・行動指針として、企業倫理憲章や行動規範などからなる「楽天主義」も掲げています。
ただ、本当に重要なところは何だろう、と三木谷と話していました。
出所:楽天の有価証券報告書よりNewsPicks編集部作成