史上最大の2.8兆円調達 サウジアラムコ、アリババ抜く
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2014年に上場したアリババグの約250億ドルを上回る史上最大のIPOではあるけれど、総株式数のわずか1.5%でしかない。昨年までは、5%、1,000億ドル(10兆円)を超えるIPOをという議論もあったほどで、デカ過ぎてどうするんだろうという話でした。
一時は、ガバナンスの問題や、香港の治安悪化を受けて、消去法的に東証への上場もと日本でも盛り上がりを見せていました。
結果として、1.5%だけしか流通させず、ギリギリ史上最大ほどに限定したのは、懸命な判断だったと考えます。先月出してた価格レンジの中では上限で価格決定され、十分な需要も集めていたようなので。しかし、バリュエーションの議論は、結構厳しかったようです。流通株式が1.5%でガバナンスもあったものではなく、国家とほぼイコールなものを株式と呼ぶのか?配当を積み増して価格をなんとか上げたようですし、実際、国債に近いかもしれないですね。
今後も売出しは続いていくと思われますので、世界の市場へどういう影響を与えるのか、日本市場に来てくれたりするのかなぁとか、今後も注目です。価格から算出した企業価値は約1兆7千億ドルで、1兆ドルを超える米アップルやマイクロソフトを上回って世界最大。メガテック企業にとっては時価総額で新たに大きなライバルが誕生。でも1990年代からエネルギーファイナンスをやっていた立場から見ると、あの天下のアラムコの存在感は本当に大きく低下したと観察しています。そもそもIPOをしなければならなくなるとは、Oil&Gasの王者も当時は夢にも思っていなかったのではないかと思います。当時、仮にIPOしていたら、2桁違いくらいで時価総額No.1になっていたはず。石油の時代からデータの時代への変化を感じるニュース。1兆7千億ドルを超えてくるテクノロジー企業はマイクロソフトかアマゾンか、そこに注目です。
2兆円には届かなかったものの、先月示された30〜32リヤルのレンジの中では上限で決定。今回は機関投資家よりも個人投資家にフォーカスされました。
問題は、次の海外機関投資家向け。今回の上場は、全株式のわずか1.5%です。1年間は海外上場は行われない予定ですが、その後出てくるとしたら巨額の発行となる可能性もあり、世界のエネルギー株式市場への影響が気になります。