[ブリュッセル 5日 ロイター] - 欧州連合(EU)の財務相理事会は5日、フェイスブックが計画する「リブラ」など民間企業による暗号資産(仮想通貨)について、リスクが完全に解決されるまでEU内で発行を認めるべきではないという見解で一致した。

リブラは6月の発表以来、金融システムに与える影響を巡り世界の規制当局から批判を集めているが、EU理事会もリブラに対し厳しい姿勢で臨むことを確認した。

共同声明では「いかなる世界的なステーブルコインも、法律、規制、監督上の問題やリスクが適切に特定・解決されるまで運用を始めるべきはない」とした。

ステーブルコインは法定通貨などを裏付けとしたデジタル通貨で、リブラはこれに含まれる。一方、同じ仮想通貨であるビットコインはステーブルコインに当たらない。

EU財務相は、世界的な対応の一環として暗号資産やステーブルコインを規制する域内ルールを検討する可能性も指摘した。

EU執行機関である欧州委員会のドムブロフスキス委員(金融安定・金融サービス担当)はEU財務相に対し、欧州委がすでに新たな規制整備に取り組んでいると語った。

また、財務相らは欧州中央銀行(ECB)のデジタル通貨に対する取り組みも評価。ECBは財務相理事会に提示した文書で、欧州で現金利用度が低下すれば、公的なデジタル通貨が必要になる可能性があると指摘した上で、こうした計画の影響は計り知れず、悪影響などを注意深く調べる必要があるとも述べた。