[パリ/モスクワ 28日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は28日、欧州でのミサイル配備の一時停止を巡るロシア側の提案は受け入れられないとの見方を示す一方、ロシア側の要求を簡単に却下しないことが重要と述べた。

米ロによる中距離核戦力(INF)廃棄条約が今年8月に破棄された後、ロシアは米国など各国に対し、欧州での短中距離核ミサイル配備の一時停止を宣言するよう求めていた。

マクロン氏はロシア側の提案は「絶対に受け入れられない」とした上で、「しかし、議論の土台として(ロシア側の提案を)ただ拒絶すべきではないだろう」と述べた。

また欧州諸国にはINF廃棄条約破棄後の交渉において果たすべき役割があると指摘。「INF条約は米国によって破棄されたが、危機にさらされているのは欧州の安全保障だ。これは欧州諸国が今後の条約に関与すべきであることを意味している。欧州の安全を欧州ではない二国間の協定に任せるべきではない」と語った。

インタファクス通信によると、ロシア大統領府のペスコフ報道官は同日、「マクロン氏の回答は具体的ではないが、少なくともロシアの懸念に対する理解を示し、この点に関して対話の準備ができていることを表明した」と述べた。

タス通信によると、マクロン氏とプーチン大統領は同提案について12月9日にパリで協議する予定。