英国政府、チャゴス諸島からの撤退求めた国連決議に従わず
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この報道だけだと旧イギリス植民地の過去の負の遺産の精算のように見えますが、そうではありません。
問題はチャゴス諸島ではなく、そのうちの一つ「ディエゴガルシア島」にあるインド洋最大の米軍基地の存在なのです。
1965年、国防上の理由でイギリスがモーリシャスからチャゴス諸島を分離し、英領インド洋諸島とした後、この島をイギリスから租借しインド洋に浮かぶ不沈空母化したのはアメリカでした。
以来ディエゴガルシア島は、中東におけるアメリカの軍事作戦の要となり、特に911以降はその重要性は格段に増加しました。
一方これを嫌ったのが中国です。
それはこの島がインド洋からアフリカに至る海の一帯一路の丁度中間を遮る形で存在しているからです。
今回の撤退決議案を出したのは、インド洋とはなんの関係もないセネガルです。
そしてもし守備良くディエゴガルシア島が中国の非常に強い影響下にあるセーシェルの管理下に入れば、恐らく同島は事実上中国のものとなるでしょう。
裏で糸で引いているのは恐らく中国であることは容易に想像できるところです。
かつて全島民立退きという愚行をしたイギリスの落ち度はともかく、植民地統治の精算の美名の下には、米中の確執が隠されていることを見逃してはならない点でしょうね。