「サードプレイス」を捨てる。中国のスタバが復活した真因

2019/11/26
多くの日本企業が「デジタル化」に取り組む昨今だが、そのほとんどは、「オフラインを基軸にして一部をオンライン化する」ものだ。しかしこれからは、すべての購買行動がオンライン化され、オフラインはもはや存在しなくなるーー。
このような世界を大胆に描いた書籍『アフターデジタル』が好調な売れ行きを見せている。2019年3月の発売以来、累計で5万部を突破した。
NewsPicksではそれを受け、著者の一人・ビービットの藤井保文氏のMOOC「アフターデジタル 中国が映すデジタル化の未来」を配信。「アフターデジタル」な世界の全貌を、事例をもとに詳説した。
前編では、中国・上海で暮らす藤井氏の取材をもとに、デジタルに囲まれた「あるビジネスパーソンの1日」をストーリー形式で再現した。
*前編はこちら
【完全再現】これが未来だ。「オフラインが消えた」中国の1日
後編ではこのケースを基に、昨今の中国のデジタルサービスの傾向と、そこから日本が何を学び、どう生かすべきかを聞いた。

WeChatなしの生活は考えられない

──「上海で働くビジネスパーソンの1日」を伺い、日本は最先端どころかいつのまにか過去を生きるようになってしまったと軽いショックを受けました。中国ではWeChat一つあれば、ほとんど何でも完結するんですね。
藤井 そうですね。WeChatはもはやコミュニケーションツールとしてだけではなく、支払いや映画の予約など、生活のいろいろな場面で接するサービスとなっています。
──仕事もプライベートもWeChatでやりとりするとなると、グループがありすぎてわからなくなってしまうのではないですか?