リーダーの役割は変化するものだ。過渡期は特にそれが顕著で、リーダーとしての役割はチームの課題の変化に伴って変わる。3か月毎に、業務フローや時間の使い方も変化していることに気づく。
最近では直属の部下が倍以上に増え、直轄する業務も2つ増えた。自分が忙殺されて打ちのめされていたことを正直に告白し、チームに以下の4つの質問をした。
①いつもの私の業務のなかで、最も重要だと思うことは?

②私があなたにしていることで最も影響力のあることは?

③私にやめて欲しいことは?

④あなたの仕事の中で、私のサポートを必要としているのは?
管理職としての仕事は改善していくことができる。以前あなたが手こずっていた人材の育成や、進行が難しかった案件も今は落ち着いているかもしれない。そのとき、あなたは次にどんなことを重点に置くのだろうか?

新しいことを始めるには、時間を「作る」ことから

一旦重要な責務を負ったら、仕事には少なくとも半年ごとの変化が必要だ。チームを進化させ、直属の部下をレベルアップさせなければならない。
「チームにとっての課題、社員にとっての課題、そして組織として私たちの最大の課題」について突き詰めて考える時間を少なくとも年に2回は作るべきだ。
その上で、あなたの時間の使い方が課題に見合っているか、あなたの優先順位を反映しているか、自問してみよう。
人に任せられることはないだろうか。自分の手からタスクを離してやめるべきことはきっとあるはずだ。そして生まれた時間で、新しく取り組みたいことは何だろうか。
打ちのめされているときには難しい質問かもしれないし、出した答えに恐ろしくなるかもしれない。そんなときはコーチの存在が役に立ち、一歩下がって全体像を捉えられるようになる。

変化を阻むものを取り除く

自分の裁量に任されていると、仕事を変化させるのが億劫になってしまうかもしれない。チームの課題に直面したくない、役割を人に任せるのが怖い、もしくはタスクがパンパンで新しいことに手を出す余裕がないことだってあるだろう。
しかし、そうした理由は非論理的で非生産的で、間違いなく破壊をもたらす。では、それらを1つずつ取り除いていこう。
①チームの新しい課題に直面したくない?
チームの課題に直面することは管理職としてのあなたの職務だ。それを怠れば、最終的には露見するだろう。
②自分の仕事を手放すのが怖い?
手持ち無沙汰になったり、ミスが生じることを心配しているのなら安心して欲しい。自分の役割を他者に譲り渡すことのできる管理職は極めて価値が高いのだから。
会議が仕事の一部になることはよくあるが、ただ会議に出ることは誰の仕事でもないことも忘れてはいけない。そもそもその会議は必要なのか?もっと効率的な結果の出し方はないか?会議をキャンセルするかあなたの代わりに誰かが出席した場合、マイナスの影響はあるだろうか?
③新しいことに取り組むのを恐れている?
忙殺されるほど、別の人に仕事を任せるほうが面倒と考えがちだ。しかし自分を酷使してはいけない。タスクで一杯ならば、より賢明な方法で仕事をし、別の人に任せるにしても仕事が完了しないにしても、手一杯になっている仕事の一部を手放すことだ。

自分のタスクをきちんと切り分けると、チームも進化する

まずチームについて考えよう。チームの課題をできる限り考え出して、次の四半期や翌年中に達成すべきものは何か、みんなで議論しあう。
そして目標が明確になったところで、現在チームの進歩を最も阻害しているものを明らかにすることも大切だ。取り除かれたら最も大きく可能性が開くものは何だろうか?
そしてチームから一度視点を会社の全体像に目を向け、あなたの仕事とあなたのチームがそこにどう適合するか考えよう。チームの価値を明文化して、ブランディングをすることでメンバー同士が支え合うための下地づくりができる。
次に、あなた自身について考え、スケジュールを作り直そう。すべての項目を取り除いて一から立て直すのだ。残す必要がある項目が分かれば、今よりずっとシンプルになる。
あなたの仕事で最も価値のあることは何か、周囲に尋ねよう。ナレッジが共有されていることや、不確定な案件は手放そう。チームが必要としている助けを明らかにして、上司には懸念していることを伝えよう。

最後のポイントは、「休暇をとる」こと。

自分の仕事のうち何を手放すことができ、本当に有用なものは何かを明らかにするには、休みをとって、その間別の人にマネジメントさせるのが一番だ。
経済的なリソースとは関係なく、あなたその人に価値があることを忘れてはいけない。自分の興味やニーズを大切に、仕事に入れ込めるほどの余裕を持つことが重要だ。
チームに向けて私が投げかけた議論は、良いアドバイスや提案を生んだ。達成感はチームで得るものだということや、タスクを適切に切り分けて分担することで、全員が仕事を進める心強い協力者となっていくのだ。
責任感のある人ほど、仕事を任せるのは難しく感じることだろう。しかし、チームを信じて任せることも、あなたの新しい役割がいつも必要とされていることも確信できれば、変化を受け入れられるはずだ。
(執筆:Cate Huston、翻訳:中丸碧、写真:Chaay_Tee/iStock)
原文はこちら(英語)。
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with HP.