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これがトルコが天皇陛下の即位の礼をキャンセルしてでも得たかった成果。
トルコとしてはほぼ満額回答でしょう。

既に占領地となっているタル・アブヤド〜ラス・アル・ラインの32キロを確保したのはともかくとして、その他の地域についても国境から30キロ以内のYPG部隊は重火器をロシアに引き渡して武装解除した上で、150時間以内に撤退させることをロシアが保証しました。
又既にシリア政府軍が進駐しているアレッポの北のYPGの飛び地タッル・リファアト、クルド占領下のユーフラテス西岸最大の都市マンビジュについても、YPGの完全撤退が確約されたことで、ユーフラテス西岸のクルド地域は一掃されることになります。
トルコ国境にあるクルド(ロジャヴァ)の首都カーミシュリーについては、完全撤退の範囲外ではありますが、既にシリア政府軍が進駐しており、ロシアとシリア政府がクルド勢力がトルコに対し浸透しないよう国境警備にあたることで、ほぼ脅威が取り去られたことになります。

その代わりに、安全地帯へのシリア難民の帰国は撤回され、トルコはまだしばらく難民の世話をしなければならなくなりましたが、それを差し引いてもトルコにとっては十分「歴史的」な合意と言えます。
これで作戦目標を果たしたトルコの平和の泉作戦は、このまま終了となる公算が高くなったと言えます。

一方自身のあずかり知らぬうちに大きな譲歩を余儀なくされたクルドですが、この合意とは別にISの首都だったラッカにもシリア政府軍が進駐しているようなので、いずれかの時点でラッカを含むラッカ県のクルド占領地はシリア政府に返還され、その代わりにジャジラ地区(もしかしたらコバニ地区も)について高度な自治権を獲得するあたりがクルドにとっての落とし所ということになるかと思います。


シリア北部、東部の情勢が一応落ち着きを見せたことで、近いうちにアルカイダ系反政府軍が占領するイドリブ県への総攻撃が行われることが予想されます。
2011年から続いてきたシリア内戦は、最大の干渉国のひとつだったトルコにそれなりの飴を与えて満足させたことで、10年目を前に終戦に向けていよいよ最終段階に入ったといっていいだろうと思います。
トルコとロシアが勝手にクルド人の未来を決めるとは、1938年に英仏独伊が勝手にチェコのズデーデン地方を割譲したミュンヘン会議のようなものではないか。同会議は欧米では教訓とされているはずなのに、しかもトルコは曲がりなりにもNATOの一員のはずなのに、ロシアに接近するとは。。。米国の力の凋落とトランプ政権の同地域への関心のなさを示す事例だろう。
クルド人たちの長年の願いは、いつか自分たちの国を持つことだ。少なくとも、自分たちの自治を認めて欲しいを願っている。だからこそ、自分たちの存在を認めてもらいと思い、あれほど勇敢にイスラム国(IS)と戦ったのだ。クルド人部隊に女性兵士が非常に多くいるのも、誰かに命令されて戦っているのではないからである。たしかに、クルド人部隊のアラブ人に対する態度は非難された。それでも、大国の論理だけではく、クルド人の立場への配慮も欲しいところである。
トルコとしては,クルド人勢力が自国に悪影響を与えかねない状況をまずは排除できれば良かったはずで,「深追いは禁物」という発想もあったでしょうから,クルド人勢力を自国から離すという内容でロシアから協力を取り付けたことにはそれなりにプラスの側面があると思います。

ロシアとしても,中東で存在感を高めつつ,自国の不安定な地域にテロ組織のメンバーが侵入することも阻止したいという意図があるでしょうから,少なくとも表面上はWin-Winの合意であるように思います。

他方で,クルド人勢力やシリア難民が「押さえ込まれる」ような格好になるわけですから,彼らの怒りの矛先がトルコやロシアに向かうのか,それとも事実上自分たちを見捨てた欧米に向かっていくのかは正直良く分かりません・・。
トルコとロシアは「シリアのクルド人勢力を対トルコ国境付近から撤退させ、同地域で共同巡視活動を開始することで合意」したとのこと。
トランプは自分の再選のためなら、ISと戦っていたクルド人を売る。日本も北朝鮮に売られてつつある。