【橘玲】「下級国民」はなぜ大富豪トランプを支持するのか

2019/10/22
アメリカでは低所得者層の支持を集めるトランプ派とリベラル派の分断が深刻化しており、イギリスでもBrexit(イギリスの欧州連合離脱)へのスタンスを巡り国民の対立が続いている。
一方、日本では、4月に池袋で車を暴走させて死亡事故を起こした元高級官僚が特別扱いされたとの憶測でインターネット上で「炎上」した。
また、最近では、悲惨な生活を送る主人公が、社会への不満を爆発させる映画『ジョーカー』が世界で記録的大ヒットを記録している。
【超問題作】映画『ジョーカー』に託したワーナーの「賭け」
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、ベストセラー作家の橘玲氏だ。
橘氏は、このような世界中で起きている人々の分断の本質を考察しており、8月に『上級国民/下級国民』(小学館)を上梓(じょうし)した。
「上級国民」や「下級国民」とは何を示しているのか。世界中で起きている社会の分断とはどういったものなのか。橘氏に聞いた。
橘 玲(たちばな・あきら)作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。編集者を経て、2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部のベストセラーに。著書に『人生は攻略できる』(ポプラ社)、『もっと言ってはいけない』(新潮新書)、『臆病者のための株入門』(文春新書)など
下級国民の象徴、ジョーカー
よく誤解されるのですが、「下級国民」は「アンダークラス(下層階級)」ではありません。アメリカのアンダークラスは黒人やヒスパニックなどのマイノリティ(少数派)で、彼らはいまでもアメリカの最貧困層です。
それに対して「アッパークラス(上層階級)」は、アメリカ社会のマジョリティ(主流派)である白人だとされてきました。