[17日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレー<MS.N>が17日発表した第3・四半期(9月30日まで)決算は、新規株式公開(IPO)市場への投資で損失を出したものの、債券トレーディング業務とM&A(合併・買収)アドバイザリー業務が好調だったことで利益が予想を上回った。

ゴールドマン・サックス・グループ<GS.N>が15日に発表した第3・四半期決算は米配車大手ウーバー・テクノロジーズ<UBER.N>や共用オフィス「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーへの投資が重しとなり利益が市場予想を下回ったが、それとは対象的だったことから、モルガンSの株価は朝方の取引で約3.7%高となっている。

モルガンS帰属の純利益は21億7000万ドル(1株当たり1.27ドル)と、前年同期の21億1000万ドル(同1.17ドル)からやや増加。純収入は100億ドルと、99億ドルから増加した。

リフィニティブがまとめたアナリスト予想は1株利益が1.11ドル、収入が96億ドルだった。

セールス・トレーディング事業の収入は10%増。債券セールスとトレーディング収入が21%増となったことが押し上げ要因となった。

アドバイザリー業務などを含む投資銀行事業の収入は4.3%増の16億4000万ドル。

ただ投資による収入は3300万ドルと、前年同期の3億4000万ドルから大きく減少した。

ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は「夏季に例年見られる減速や市場のボラティリティーにもかかわらず、堅調な四半期決算となった」と述べた。ただ継続中の米中通商協議のほか、低金利環境に警戒感を示した。