超高齢化で医療を受けられなくなる日は来るか
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日本では救急車が無料であることに加え、高齢化があいまって、救急車の需要がパンクし始めているようです。
この記事の元である「救急車が来なくなる日」という本の中では、下記のように指摘されています。
・緊急搬送に占める高齢者(65歳以上)の割合が増加しており、それにより出動件数も飛躍的に伸びている
- 高齢者が占める割合: 約34%(1997年)→59%(2017年)
- 出動件数: 347.6万件(1997年)→634.5万件(2017年)
・それに伴い、レスポンスタイム(救急要請を受けてから、現場に到着するまでの時間)も遅れている
- 7.0分(2007年)→8.6分(2017年)
救急車を単に有料化すればいいというわけではないですが、今のままの仕組みでは、本来助かるべき人が助からなくなっていることも事実です。
社会全体で今一度仕組みを再考していけるといいなと思います。非常に難しい問題。
記事にもあるように埼玉県は人口あたりの病床数が少なく、確か医師数も全国最低レベルで、相対的医療過疎地域です。
私事ですが、身内の者が入院した埼玉県内の病院で、緊急検査が必要なのに専門医が3日後まで来ない、と言われ、都内に救急搬送させたいと申し出たところ、この地域には救急車が3台しかないので、長時間救急車を使われると困る、との理由で利用を断られたことがあります。転院時の救急車要請は、主治医がすることになっていますので、患者側はどうすることもできません。結局、民間救急車で数万円かけて転院させることになりました。
一方、医師側の立場で言えば、都内ではタクシーがわりに救急車を使用する人がなんと多いことか。入院するつもりで洋服や必要物品をごっそり持ってくる人、症状が治ったのに心配だから来る人、昼間に歩いて来れるのに、忙しいから夜に救急車を呼んだ、などなど。救急現場の医師の疲労、バーンアウトにも繋がります。
とは言え、救急車が必要かを判断するのは、素人にはもちろん、救急隊にも難しい。必要な救急車が出動せずに患者が亡くなってしまった事件も、数年前にありましたよね。
一般国民に、言うなれば救急車要請リテラシーを身につけてもらうための啓蒙が必要だと思います。数百円の利用料は、個人的にはありだと思います。東京都における救急搬送件数は伸び続けていますが、その増加要因のほとんどが75歳以上の後期高齢者。そしてその半数以上が軽症で救急搬送が必要なかったケース。超高齢社会に適した救急医療のバックアップ体制が必要だと、以前佐々木淳先生から教わった。
https://median.press/emergency-of-tokyo-ems/