履歴書が続々届くトマト農園。全員女性、残業ゼロで急成長

2019/10/20
女性しかいない農園
正社員3名、パートスタッフ10名、すべて女性。1名以外農業未経験で、10名が子育て中。服装もメイクも自由。
残業ゼロで、定時に上がるのが当たり前。女性に優しく働きやすい職場だと口コミで広がり、地元の女性からどんどん履歴書が送られてくるという農業スタートアップが水戸にある。フルーツトマト専業農園を営む、ドロップファームだ。
「農業は女性に向いていると思うんですよ。植物相手で暗くなったら仕事も終わりだから、周りに気兼ねなく、子育ても、仕事もしっかりできるじゃないですか。子育て中だと時間も不規則になりがちだけど、農業って単調な作業が多いんですよね。
葉っぱを取るだけの作業を6時間できます? 私はできないんですよ(笑)。それなら、3時間集中してやってくれる人が2人いたほうが効率いいでしょう。短時間でもいいから働ける人をたくさん確保するというのがうちのスタイルです」
そう語るのは、ドロップファーム代表の三浦綾佳。今年30歳、自身も5歳の娘を持つ母親だ。
社員やパートのスタッフと同じく農業未経験で、なおかつ自身も無理ない働き方をしているが、2015年に就農して以来、毎年売り上げを伸ばし、2018年から19年に収穫したトマト40トンの売り上げは、7000万円に達した。
農業は経験がものをいうという意見もあると思いますが、と尋ねたら、三浦はフフッと軽やかにほほ笑んだ。
「うちは『誰でもできる』と言われるアイメックという製法でトマトを作っていますし、初年度から農業用のICTを導入しています。最近のテクノロジーを使えば、経験が浅くても美味しいトマトを作ることができるし、もっとマニュアル化が進めば農園の管理をパートさんに任せることもできますよ。そういう時代なのかなと」
アルバイトで天職に出会う
彼女の取り組みや言葉を見ると、もともと農業に課題を感じていて、それを解決するために挑戦しているような印象があるが、それは違う。
なにがどう違うのかは後述するとして、妊娠するまでは農業に興味がなかったという彼女が、なぜ時代を先取りするような存在になっているのか、その歩みを振り返ろう。