[ソウル 10日 ロイター] - 韓国サムスン電子<005930.KS>の子会社で米アップル<AAPL.O>に部品を供給するサムスン・ディスプレーは10日、生産ラインの刷新に向けて2025年までに13兆1000億ウォン(110億ドル)を投資すると発表した。

スマートフォンやテレビの世界的な需要が弱まる中、同社は深刻な過剰供給に直面している。

生産施設に10兆ウォンを投じ、残りはより上位のスクリーンの生産に向けた研究開発に充てる方針。

同社は発表文書で、今回の投資を通じて、国内の液晶ディスプレー(LCD)生産ラインの一つを、より上位の「量子ドット」スクリーンを量産できるよう転換すると説明。

新たに刷新される「量子ドット」ラインの操業は2021年に開始予定で、月間生産能力は3万シートを見込んでいる。

サムスンは、LCD生産ラインの一つを先月停止したと明らかにしている。同社はディスプレー生産に中国の1ラインを含め6ライン展開している。

韓国青瓦台(大統領府)によると、文在寅大統領とサムスン電子の李在鎔副会長は10日、牙山市にあるサムスン・ディスプレーの生産拠点で開かれた投資に関する調印式に出席した。

韓国のパネルメーカーは、テレビやスマートフォン向けのLCD需要の鈍化や中国の競争相手からの攻勢のほか、大手顧客の有機ELディスプレーへの移行に見舞われ、対応に苦戦している。