[東京 30日 ロイター] - 日銀は30日、「当面の長期国債等の買入れの運営」を発表し、10月の長期・超長期債の1回当たりのオファー額レンジを下方修正した。予定の買い入れ回数は据え置かれた。市場では今回の修正について、基本的に現状追認だが、「残存期間25年超」のレンジ下限がゼロに設定されたことがサプライズとの声が出ている。

オファー額は「1年超3年以下」以外はすべて下方修正された。

「1年超3年以下」は従来の2500億円─5000億円から、3000億円─5500億円にレンジは引き上げられた。一方、「3年超5年以下」は従来の2500億円─5000億円から2000億円─4500億円に引き下げられ、中期債は30日に実施されたオペと同方向の修正となった。

長期・超長期債はレンジが下方修正された。「5年超10年以下」は従来の2500億円─5500億円から2000億円─5000億円に修正。 「10年超25年以下」は従来の1000億円─2500億円から500億円─2000億円に修正。「25年超」は従来の100億円─1000億円からゼロ─500億円に修正となった。

市場では、「基本的にレンジ中央値は現在のオファー額とほぼ同じで現状追認だが、25年超の下限ゼロがサプライズ。オペを見送ることも選択肢となったためだ。当面、現在の300億円で推移するとみられるが、不透明感は強まった。市場の初期反応としてはスティープニングとなりそうだ」(みずほ証券のチーフ債券ストラテジスト、丹治倫敦氏)との声が出ている。

*内容を追加しました。

(伊賀大記)