(ブルームバーグ): 米ボストン連銀のローゼングレン総裁は、シェアオフィス事業モデルの台頭によって金融安定性に新たなリスクが生じる可能性があるとの認識を示した。

ニューヨークでの講演用に用意された原稿の中で同総裁は「低金利の下で進化する市場モデルは商業用不動産の分野で金融安定性に対して新たなタイプの潜在的リスクを生みつつある。そうした市場モデルの一つは、多くの主要都市のオフィス市場でのシェアオフィス事業の発展だ」と指摘した。ウィーワークの名前には言及しなかった。

今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で、同総裁は金利据え置きを主張し、利下げに反対票を投じた。今年2回目の利下げ反対。

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ローゼングレン総裁は「不動産市場で成長しつつあるこうした事業モデルによって、次の不況時に商業用不動産が被る損失がさらに大きくなることを私は懸念している」と述べた。

小規模企業向けの短期的な賃貸に依存しているという事実などに言及し、「シェアオフィス事業が浸透している都市での不動産オーナー向け銀行融資が、これまで見られてきた以上に多くのデフォルト(債務不履行)事案や高いデフォルト時損失率(LGD)を経験しかねないという問題も提起する」と総裁は指摘した。

原題:Rosengren Warns Co-Working Spaces May Be Creating Financial Risk(抜粋)

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