【福井由美子】ニーズに応えられる本をつくれば売れる
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連載「シゴテツ -仕事の哲人-」、集英社の女性誌企画編集部編集長・福井由美子さんの第6回です。出版不況の時代に日陰の連載コラムから本の「ひとりっぷ」が誕生するまでの秘話を紹介します。私も「なぜこういうのが世の中にないんだ」というニーズを自分の経験と実感から探してみようと思います。
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一人旅歴25年、海外一人旅400回超の稀代の旅バカ。集英社のモードファッション誌「SPUR」の元編集長で、現在は女性誌企画編集部編集長を務める「ひとりっP」こと、福井由美子氏。
仕事の合間を縫って香港180回以上、台湾60回以上、タイ・バンコク、シンガポール各40回以上、米サンフランシスコ30回、中国30回、ハワイ30回、中南米各国40回、カリブ諸国20回を旅したという達人。
2016年末、その実体験を元にした女子ひとり旅指南本「今日も世界のどこかでひとりっぷ」を集英社より刊行。「ひとりっぷ」とは「一人」と「トリップ(旅)」を掛け合わせた福井氏による造語で、女性一人旅のことを指す。
現在、書籍「ひとりっぷ」は1〜3まで刊行、ほか電子版「ひとりっぷ to GO」シリーズなど合わせて、合計発行部数は約10万部。執筆・編集・撮影すべて福井氏が一人で担当。本のほか、ウェブサイト、インスタグラムなどでも日々、旅情報を発信中。いわば趣味が仕事になった福井氏に、自分の名前で生きるヒントを学ぶ。(全7回)
■第1回 海外一人旅400回超、集英社の旅バカが通う香港
■第2回 一人旅の解放感に感動。知らない土地でも何とかなる
■第3回 弾丸旅に行くための仕事の仕方と体調管理
■第4回 男性より女性のほうが一人旅に向いている
■第5回 満員御礼、蔦屋書店「ひとりっぷ」トークイベント
■第6回 ニーズに応えられる本をつくれば売れる
■第7回 旅は人生の貯金「みんなにとって良いものは、みんなにとってどうでもよいもの」という時代。
顧客に徹底的に寄り添い、みんなにとって良いものではない、とあるAさんにとって良いものを目指す。
濃く共感され深く刺さるもの。今の時代にはそれが求められている。安心できるのでどうしても前例に基づいて数字的根拠がある企画に偏りがちだが、大抵は小ぢんまりとしてしまってそれほどおもしろくはない。時折は直観に基づいたおもしろさを求める挑戦も必要だと思う。