【最終話・井上慎一】「空飛ぶ電車」で顧客の人生に彩りをもたらす

2020/2/8
日本初のLCC(Low Cost Carrier)として、2012年3月に運航を開始したPeach(ピーチ)。関西国際空港に拠点を置き、「空飛ぶ電車」をコンセプトに掲げるなど、従来の航空会社とは一線を画す独創的な発想や戦略で、低コスト化を実現してきた。2019年11月にはバニラエアを統合し、アジアのリーディングLCCを目指している。

そんなPeachをゼロから立ち上げ、牽引してきたのが、CEOの井上慎一氏。「日本とアジアのかけ橋になる」というPeachの使命は、中学時代からアジアとの縁に導かれた、井上氏自身の使命でもあるという。

井上氏のリーダーシップの原点や、LCCを天命とするに至ったルーツから、その哲学に迫る。(全7回)

最大の決断は大阪拠点

日本初のLCCを立ち上げてからの道のりを振り返ると、大阪を拠点にしたことが、最も大きな決断だったと思います。
この決断に、当時は「首都圏を拠点にしない航空ビジネスなんて絶対に成功しない」など、否定的な見方をする人がほとんどでした。