[ソウル 16日 ロイター] - 韓国の中央日報は16日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、トランプ米大統領に8月に送った書簡で平壌訪問を招請していたと伝えた。

中央日報が複数の外交筋の話として伝えたところによると、金委員長はトランプ大統領に宛てた書簡で、トランプ氏との首脳会談に意欲を示した。書簡は、8月としては2回目で第3週に送られたという。

トランプ大統領は8月9日、金委員長から「非常に美しい手紙」を受け取ったと明かしていた。

米朝の首脳会談は、昨年6月のシンガポール以降、3回行われた。今年2月の2回目のハノイ会談が非核化を巡り決裂に終わった後、米朝の協議は途絶えたが、6月末に北朝鮮と韓国の境界で電撃的な会談が実現し、実務レベルの協議再開が合意していた。

9月に入り、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官が、下旬に米国との非核化協議を再開する意向を9日に表明。トランプ大統領は年内のある時点で金委員長と会談することに前向きな姿勢を示している。

北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は16日、外務省の米国担当局長の話として、向こう数週間内に二国間の「良好」な事務レベル協議が開催されることを期待していると表明。協議が「危機か機会」に転じるは米国次第だとし「わが国の安全保障に対する脅威や、わが国の発展を阻む障害が疑いの余地もなく明確に取り除かれるのであれば、非核化を巡る話し合いは可能だ」と伝えた。

韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は中央日報が報じた書簡について、詳細な説明を聞いていると指摘。ただ具体的な内容には触れなかった。また事務レベル協議の前にトランプ氏と金氏が対面するとは考えにくいという見方を示した。