【Twitter創業者】ブランドの“広告”コンテンツを載せない理由

2019/11/30
数あるソーシャルメディアのなかでも、シンプルで、速報性と拡散性に優れるTwitterは、若者から行政機関まで幅広いユーザーに愛用されているSNSだ。エヴァン・ウィリアムズはそのTwitterの共同創業者。

2015年のCEO退任後はウェブメディア「ミディアム(Medium)」を設立し、新しい形のパブリッシングの可能性を探ってきた。近年では政治広告や虚偽情報の拡散など、予想外の問題に直面するTwitterだが、創業当初はどんな思いがあったのか。

今後のウェブメディアの可能性をどのように見ているのか。リード・ホフマンがサンフランシスコでウィリアムズに話を聞いた(インタビューが行われたのは17年10月10日)。
Listen to Masters of Scale at applepodcasts.com/mastersofscale and follow us Twitter.com/mastersofscale.
ホフマン ミディアム(媒体)という名前が秀逸ですよね。経営はなかなか難しいようですが……。
ウィリアムズ ええ、今年(2017年)初めに人員削減などをしました。立ち上げから5年というのは、Bloggerを別にすれば、私にとって最長記録です。
最初の2年ほどは、かなりストレートに成長して、計画通りにいっていました。非商業的パブリッシングのために最高の場所を作りました。ブログに似ていますが、自分のブログを作ることに関心はない人たちが書いた上質な意見記事です。
ごくシンプルで美しいサイトを作って、こうした人たちがオーディエンスを見つける助けをしたいと思いました。
実際それはうまくいきました。多くのシンカーや、インフルエンサーや、ライターが集まってきて、自分の言いたいことをミディアムでパブリッシュしたのです。
ミディアムのオフィス(写真:JASON HENRY/The New York Times)
わずかですがネットワーク効果もありました。でも大きくはなかった。
継続的にパブリッシングをするなら、スタンドアローン型のウェブサイトを持って、オーディエンスを獲得しようとするよりも優れていました。一定のツールもよかった。
でもそこからレベルアップする必要がありました。
そこで私が十分に理解していなかったのは、カジュアルなメディアと、真面目なメディアの違いでした。
物を書くのは容易ではありません。多くの人が読みたいと思うものを書くのはなおさらです。しかも多くの書き手は、人が読みたいと思うものを書こうという努力さえしません。
ミディアムには、予想外の人から素晴らしいコンテンツが集まりますが、多くの人が常にミディアムに来て、ネットワーク効果を生み出すほどのコンテンツを一貫してそろえることができませんでした。
つまり、質の高い記事をコンスタントに供給してくれるプロのライターが必要だと気がついたのです。