【解説】なぜ、「心臓病」のトップ病院は倒産したのか

2019/9/5
病院、診療所(クリニック)の倒産(法的整理)がハイペースで推移している。
2015〜18年は年間15〜22件で推移していたが、今年は8月末時点で既に23件。4カ月を残し、ここ5年間で最高だ。
その中でも、大きなインパクトを与えたのが、心臓病や血管疾患の専門病院として知られる「大崎病院 東京ハートセンター」(東京都品川区)を経営する医療法人社団「冠心会」の倒産だ。
大崎病院 東京ハートセンター(提供:帝国データバンク)
同法人は8月下旬、債権者に民事再生法の適用を申し立てられた。負債は約42億6200万円(19年2月期末時点)。これは同業界の今年の倒産の中で、トップである。
知名度の高い医師を擁し、大動脈瘤(りゅう)切除術などで数多くの実績を積み上げ、18年3月期には売上高41億171万円を記録していた同病院。
だが一方で、最近は医師の退職が相次ぐなど、陰りも見え始めていた。
「心臓疾患の名門病院」で一体、何が起こっていたのか。その背景に迫った。

名門病院の「弱点」