お偉いさんから「広報はタダだから……」と言われて
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注目のコメント
この内容、PRや広報を経験した事のある人なら、頷きすぎて首取れちゃうんじゃないかと思う。
僕がPRをやらせてもらっていた時、大事にしていたのは、
1.「メディアがそのリリース、情報を見てどう思うか」
2.「ヨワヨワの情報を、いかに自分で立体的にできる努力ができるか」
1に関しては、当たり前のように各媒体の特色を理解している必要があります。僕は、媒体ごとの性格を人間に例えた表を作っていました。
その人に相性のいいパートナー(リリース)を自分なりに仮説立てて紹介することが大事。それによって、編集記事獲得の可能性は変わります。精密に、しっかりと狙いうちするのです。
あとは、ベタですが普段からのコミュニケーション。飲みニケーション。僕がやっていた頃は、「人と会って、覚えてもらってからがスタートじゃ! 寝る暇あったら外に出かけろ!」という時代でした。(意外と日本ではまだまだ有効)
2.ファッション業界の宣伝はストーリー性が非常に重要で、まさに宣伝が売り上げを牽引する大きな歯車。
すなわち、「こういう宣伝をしたいから、このプロジェクトの取り組みをそれに沿って進めて欲しい」とリクエストすることも場合によっては可能。
自信をもって紹介できる商品を、世に広めるためのストーリーを自ら考えなければいけない。そのためなら、関係各所にインタビュー形式で、質問をしまくる。嫌がられるくらい。
従って、海外では、ファッションPR責任者は、クリエイティブディレクターやデザイナーと同等の地位の扱いを受ける。
僕の個人的なPRとしてのモットーは、ヨワヨワの情報をいかに強くするかを、頭捻りまくって、考えて考えて考えまくる。
それこそがPR業の醍醐味。
精神的な修行のようなものですが、これを経験できると強いと思っています。根性論のようですが。
あと、一番重要なのは、意外と「嘘つかない」ことだったりする。デジタルの仕事をする前に20年ほど新聞記者をしており、民間企業や官公庁や、いろんな組織の広報の方々と接しました。「広報とトップとの力関係」が、そのままその組織の強さの反映になっていたように思います。広報がトップといつでも会えて、対等に話ができる組織と、広報が完全にトップの「下請け」になっていた組織。この記事で見られる事例は、後者ですね。
広報サイドの立場からすると「いつまでこの戦いは続くんだ…」と、とても残念な気持ちになりますが、下記のような方はまた少なからずいると感じています。
>マーケティング経験の豊富な管理職や経営者であっても、「広報=タダでできる宣伝」という認識を持っている人が少なからずいる
PRや広報の有用性は、徐々に浸透してきているものの、まだまだ限定的な理解で留まってしまっているのでしょうね。