予防医療、企業に補助金 社会保障改革7年ぶり始動
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厳しい言い方をすれば、政府の試算は甘く、全体像が見えていないと思います。予防医療が未熟で、科学的根拠もほとんど生み出してこなかったこの国で、補助金により、根拠のないまま「予防医療」と呼ばれる名ばかりの医療が促進されてしまうことに強い懸念をおぼえます。
例えば、社員のインフルエンザの予防接種実施率や50歳から75歳までの大腸内視鏡検査実施率を測定し、その割合を向上させた企業に補助金を出すのであれば、これは日本の予防医療に良い変化をもたらす可能性があります。
一方で、記事にあるように、「例えば少量の血液でがんを見つける高度な検査で、健康保険組合などが費用を補助しやすくする。人間ドックの個人負担の軽減も探る。」のであれば、これは過剰で不要な検査を招き、ひいては医療費の増大を導く可能性もあります。
このような根拠の確立していない検査を国家レベルで推進することで、人々の健康を増進し、医療費を削減できると思ったら大間違いで、過剰な検査が偽陽性(本当は病気がないのに検査が陽性となること)を招き、人々に不要な不安や負担を強いる結果となりうるのです。
不要な検査なら、しない方がよいという視点も大切です。何が本当に必要なのか。そのような視点を持ち、闇雲に「良さそうなこと」を国家レベルで補助しないでほしい、そう強く願います。
最後に、自分の記事の宣伝になってしまい恐縮ですが、我が国の健康診断について、最近記事を書きましたので、お時間がありましたらこちらも併せてご参照ください。
https://newspicks.com/news/4153632/何が有効な予防医療なのか、政府も企業も認識する必要があります。「予防医療やってます」という企業は、予防医療を専門としている医師からみると、ほとんどがインチキです。科学的に証明されている予防医療(かなり限定されている)をプロモーションするか、自らのプロダクトの有効性を科学的に証明する必要があります。そうしないと、インチキ予防医療が運びってしまいます。
一方、日本には予防医療の専門家は極めて少なく、企業はそのような人材を確保することが難しい現状があります。本当に良いかわからないサービスを提供する現場の方は、悩みを抱えると思います。ヘルスケアは、単純に利益を出せば良いだけのものではありません。
医者を雇えば済む話でもありません。開業医は予防医療に関わることが多いですが、科学的に予防医療を専門としている(研究に携わっている)人はほとんどおりません。見極めが重要です。
今後様々なヘルスケアビジネスが出てくると、よりアカデミアとの接触が強くなり、本当に良いものを提供するビジネス以外淘汰される流れになると思います。企業が専門家と関わりを持つことは本質的に重要です。生産年齢を延ばすための施策だが、健康だからと言って仕事ができるとは限らない。脳は確実に老化し、体力だって次第に無くなる。
国会で居眠りしている議員の大半がお年寄りであることからもそれは分かる。