素材開発にAIをフル活用!マテリアルズ・インフォマティクスとは?
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注目のコメント
うーん、これ機会学習の本でしょうね、多分。
物理化学の制約(理論)から材料探索空間は有限で、それを作るところからが今のMIだと認識してます。
つまり目的関数を回帰式で表した上で、最適組成を有限探索するところまでしか、まだMIでは出来ませんと言ってくれた方が、ハイプサイクルの幻滅期へ早く進ませ、早晩袋小路に陥る理論前提を深堀りする研究に目を向け直すきっかけになるのでは。
私の中では、巷で謂われる材料探索型MIは幻滅期というよりも単独で導入しても無意味だと思うようになりました。先日発表されていた「第一原理フェーズフィールド法」のようなノンパラなマルチスケールのシミュレーション技術に興味が有りますね。
(ご参考)合金の複雑な構造をパラメータ無しで予測 - 世界初の革新的マルチスケールシミュレーション新技術 -
https://newspicks.com/news/4108439
追記
Yamazakiさん、詳細なコメントありがとうございます。やっぱり読んでみてから判断しないといけませんね。ということでポチりました。お、岩崎さんじゃないですか。既に読んで見ましたが、MI関連本の中でこの本が一番のおすすめです。超入門と書いてありますが、初歩的なことしか書いてない、のようなことは全くありません。
この本では、米国日本でパブリッシュされたほぼ最新の論文を具体例として多数引用した構成になっており、普段見られるプレスリリースや科学ニュースよりも深い内容になっています。なので、もし機会があればぜひ一度手にとって多様なMI研究事例を見て頂けたらと思います。
例えばなのですが、物理屋さんにはお馴染みの、スレーターポーリング曲線(3d遷移金属の2元系合金の磁気モーメントを示す曲線)の、その拡張版である3元系の予測をほぼ実験値通りに再現できることを示しています。また、他の微量元素をドープすることで、最大磁気モーメント示すFeCoを超えるような4元系物質の探索や、4f電子系(ランタノイド)のスレーターポーリング曲線の作成(予測)にも現在取り組んでいるようです。
この計算には、第一原理計算としてgreen関数法の1つ(ここではKKR-CPA法)が用いてられています。つまり、この手法では、第一原理計算と実験結果を組み合わせて予測するような新しい機械学習の利用方法を展開しつつ、次のフェーズへと移行しつつもあるといえるのかなと思います。
ちなみに、この本の著者である岩崎さんは米国版materials informaticsを先導するある大先生の下で客員研究員をされ、現在はNECで研究しつつもJSTのさきがけ・クレストなどのプロジェクトなどの第一線で活躍される面白い若手研究者です。贔屓するつもりは全くありませんが、先日彼の講演を聞き、この本も読んでみて、本当に面白いMI研究をなさっているなあと思いました。
ただ、個人的に思う問題点は、確実に作製できない物質を計算前に除いたとしても、予測した物質が実際に作れるかわからないという、ただ一点ですかね。MIの役割は基本はアシストなので、考慮するパラメータを増やして、今後この懸念を減らすことができれば万々歳です。