[ブリュッセル/パリ 1日 ロイター] - 欧州連合(EU)は1日、国際通貨基金(IMF)の次期専務理事選考を拡大し、英国からの候補者を含めて選出する方針を明らかにした。

これまでに欧州から5人の候補が上がっているものの、EUの財務相らはコンセンサスの形成には至っておらず、候補探しの期限を延長し、英国が候補者を立てる機会を設ける。

仏財務相高官らの情報によると、2日に一連の採決を実施し、英国からの候補者を含めた6人の候補から1人に絞り込む見通し。

ただ、同高官は、英国で新首相が就任したことを踏まえ同国からの候補者を立てることを容認する運びとなったが、EU加盟の28カ国はなお欧州大陸からの候補を選出したい考えで一致していると語った。

これまでに候補に挙がっている5人はユーロ圏財務相会合(ユーログループ)議長を務めたオランダのイェルン・デイセルブルム氏、スペイン経済相のナディア・カルビノ氏、ポルトガル財務相でユーログループ議長を務めるマリオ・センテノ氏、フィンランド中銀総裁のオリ・レーン氏、世銀最高経営責任者(CEO)を務めるブルガリア出身のクリスタリナ・ゲオルギエバ氏。

英国は現時点で候補者を決定していない。有力候補と目されていた英中銀のカーニー総裁は候補にはならない見通し。

IMF専務理事は慣習として、欧州「大陸」出身者が務めることになっている。関係筋によると、カナダ出身で英国とアイルランドのパスポートを保有するカーニー氏は欧州出身者とはみなされないとの見方が強まっていたという。