【カジノ】場所、規模、依存症。「日本進出計画」のすべて

2019/8/2
「我々の計画は、世界最大規模のIR(統合型リゾート)を日本に作ることだ」
そう豪語するのは、世界のカジノ事業者中でも、群を抜く豪華さを売りにする米大手ウィン・リゾーツ日本法人の、クリス・ゴードン社長だ。
2016年、カジノを含めた巨大リゾート施設について定めた「IR推進法」が、日本でも遂に成立。これを契機に今、カジノを含むIRの「巨人」たちが、日本進出に向けて準備を加速している。
中でもウィンは、設備投資を惜しまず高価な芸術作品を散りばめることで知られる。米フォーブス誌のホテル・レストランなどの格付けでは、世界で最も多く「5つ星」を獲得している。
そのウィンの日本進出が注目されるのには、理由がある。
26億ドル(約2800億円)を投じて2019年6月に米マサチューセッツ州ボストン近郊にオープンしたIR「アンコール・ボストン・ハーバー」は、日本進出に向けたケーススタディになるとみられているからだ。
というのもボストンは、日本と同じく、ラスベガスやマカオとは違って「カジノの街」ではない。当初は建設に当たって反対もあり、これも日本の景色と重なるのだ。
【動画】あまりに美しい。日本進出を目論むのカジノの全貌
ウィンはボストンでの経験を経て、日本のどこで、いつ、どんなIRの開業を目指すのか。
NewsPicks編集部は、ゴードン社長のこれまでの発言録を徹底的にリサーチした上で直撃。その全容が浮かび上がってきた。

新規雇用「1.6万人」の衝撃

──日本へのIR進出を目指しています。
ゴードン まだ正確な投資金額は決めていませんが、我々がこれまで行なってきた中で、最大の投資になるでしょう。
我々が2019年6月に米ボストンで開業したIR「アンコール・ボストン」は、その建設費用が26億ドル(約2800億円)でした。
日本は、この3〜4倍はかかると見込んでいます。これは、アジアの歴史上、最大級のプロジェクトになります。
クリス・ゴードン/ウィン・ディベロップメント社長
2015年からアンコール・ボストンをはじめ、ウィンの世界的な不動産開発業務を指揮。日本事業でも開発責任者を務める。MITやハーバードビジネススクールでIRに関する講義も受け持つ。
そこでは、新たにどれくらいの雇用が生まれるかイメージできますか?
1万5,000〜1万6,000人ほどの新規従業員を見込んでいます。求める人材を見つけてトレーニングをしますが、途方もない人数です。