[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル高/円安の107円後半。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言でNY市場ではドル安となっていたが、同連銀が政策に関するものではないとする異例の発表をしたことで、早朝の東京市場ではドルが買い戻された。買い一巡後にドルは107円半ばでこう着状態となったが、終盤には欧州勢がドル買いで参入し、107円後半に上昇した。

米ニューヨーク連銀は、前日のドル安につながった総裁の講演について、調査に基づく学術的内容で「次回FOMCにおける政策行動に関するものではない」と異例のコメントを発表した。

同コメントで、ドルは107円前半から107.61円まで上昇。ドル買いはその後、小康状態となったが、午後3時前には欧州勢のドル買いが流入し、107.68円の高値をつけた。

総裁は前日の講演で「経済危機の初期兆候が出た場合、素早く利下げに動く価値がある」などと発言。ドルが売られ、米金利市場は月末のFOMCで0.5%の利下げを行う確率を5割超まで織り込んでいた。

ユーロは1.1240―1.1282ドルと小幅な値動きに終始した。対円では120.84円と昨日に続いて121円を下回った。7月25日の欧州中央銀行(ECB)理事会では9月の利下げが示唆されると見られ、ユーロ/円の下値リスクが意識された。

金現物<.DXY>は1オンス=1452.60ドルまで上昇し、2013年5月13日以来6年2カ月ぶりの高値を更新した。

最近の金価格の上昇について、マーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表の亀井幸一郎氏は「米国の利下げ期待が主な要因。ドル金利の低下はもともと金相場の押し上げ要因だが、今回はつい半年前まで利上げモードだった米連邦準備理事会(FRB)が、劇的な政策転換を経て金融緩和に舵を切ったため、インパクトが大きい」と指摘した。

同氏は金相場が米金融政策の豹変を十分に織り込んでいなかったので、今、織り込みつつあるところで、金に資金が流入しているとみている。

市場では金が1400ドルの大台に乗せたため、いずれ調整売りが広がるとの見方があるが、「(金市場では)値上がり目的ではなく、リスク分散の一環として金を購入している一般の投資家が多いため、節目で金が大幅に反落する必然性はない」(亀井氏)という。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 107.63/65 1.1255/59 121.16/20

午前9時現在 107.39/41 1.1258/62 120.92/96

NY午後5時 107.29/30 1.1275/79 120.98/02

(為替マーケットチーム)