[ミラノ 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は12日、ユーロ圏の景気が上向かなければECBは追加緩和策を打ち出す必要があり、「数週間以内に」取り得る手段を検討するとの見解を示した。

総裁はミラノで行った基調講演で、ECBは弱い成長と低いインフレ期待に対応するために、数週間以内に利用可能な手段について検討すると述べた。

ビスコ総裁の発言を受けてECBは7月25日か9月の理事会で金融緩和に踏み切るとの観測が高まる可能性がある。

イタリア経済については、2019年の成長率は0.1%になるとし、政府の公式見通しの0.2%を下回ると予想。20年と21年は平均して1%をやや下回るとの見方を示した。

イタリアは今年第1・四半期は0.1%のプラス成長を達成し、2四半期連続のマイナス成長で定義されるリセッション(景気後退)から脱却した。ただイタリア国家統計局(ISTAT)は第2・四半期は再びマイナス成長に陥った可能性があるとの見方を示している。

ビスコ総裁はこのところのイタリア国債利回りの低下を歓迎すると同時に、イタリア政府はこのトレンドを根付かせるために向こう数年間は「穏健」な財政赤字目標を設定する必要があるとの考えを示した。

銀行部門については、小規模な銀行の統合が必要と指摘。「複雑であることは承知しているが、直ちに着手する必要がある」と語った。その上で、経営難に陥った銀行に対する市場を通した解決法が見出せない時は、予防的な公的資金注入をより円滑に実施できるようにする必要があるとの考えを示した。

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