[ソウル/東京 12日 ロイター] - 日本政府は12日、韓国向けの輸出規制強化を巡って経済産業省内で事務レベルの会合を開き、今回の措置を韓国の担当者に説明した。日韓事務レベルの会合は日本が韓国向けの輸出規制を厳格化して以降、初めて。韓国側の具体的な事務的説明の求めに応じた。

日本側は貿易経済協力局の担当課長らが出席。韓国からは産業通商資源省の課長らが参加した。協議は午後2時から始まり、5時間以上に及んだ。日本側は韓国の輸出管理の体制不備を改めて指摘したが、2国間の協議と規制措置の撤回を求める韓国との立場の隔たりはなお大きく、議論は平行線に終わった。

韓国産業通商省の李浩鉉(イ・ホヒョン)貿易政策官はソウルで会見を開き、今月24日までにさらに協議を開催するよう提案したが、日本側は提案を受け入れるか明言しなかったと述べた。

日本政府は貿易規制上の優遇措置対象である「ホワイト国」リストから韓国を外すことを検討しており、パブリックコメント(意見公募)を実施中。調査は24日が締め切りとなっている。

今回の会合は事務的な説明の場との位置付けで、日本政府は、韓国側が求める協議には慎重な姿勢を崩していない。菅義偉官房長官は12日、官邸で記者団に「韓国への説明はあくまで事実確認で、協議するものではない」と述べた。

元徴用工問題への「報復措置」などとする韓国側の主張に関して、日本の外務省幹部が12日、ロイターなど海外メディアに「対抗措置ではない」と明言した。

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