【世阿弥】人生100年。「花」を磨きつづけるストラテジー

2019/7/4

「独自の価値」を高める技術

石山　マイケル・オズボーンが、「未来のスキル」の筆頭に挙げていたのが「ラーニングストラテジー（戦略的学習力）」ですが、まさにその見本と言えるのが、世阿弥の『風姿花伝』でしょう。

『風姿花伝』は、能を演じるための「学習プロセス」を説いたもの。しかもそれを、7歳、12歳、17歳、24歳、34歳、44歳、50歳……という「ライフシフト」の形式で書いています。それぞれの時間軸の中で、どのように自分の技能を高めていけばいいのかが説明されているのです。

その中でも、注目すべきは、やはり「花」という概念でしょう。

（田上明/アフロ）

コメント

注目のコメント

• 藤田 美菜子

  NewsPicks 副編集長

  ・2019年07月04日

  ビジネスパーソンにもファンが多い、世阿弥の『風姿花伝』。従来「修行」っぽさがウケてきたこの古典を、未来のスキルとして求められる「ラーニングストラテジー」の文脈で捉えなおすと、また違った風景が見えてきます。
  
  人生100年と言われる今の時代、「学びつづける姿勢」は必須。絶えずスキルをアップデートしていかなくてはならない…と考えてしまうと、なにやらプレッシャーに感じられますが、「自分の花を磨きつづける」という『風姿花伝』の境地に立てば、新たなモチベーションがわいてくるという石山さんの指摘が、とても腑に落ちました。
  
• 村上 臣

  『転職2.0』著者/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部客員教員

  ・2019年07月04日

  自分の中の「花」を意識し、それを周囲からのフィードバックを得ながら磨き続ける。だれにでも固有の花がありますし、樹形や育成もそれぞれ特徴があるはず。重要なのは「磨き続ける＝学び続ける」というマインドと、謙虚に周囲からのフィードバックをもらうこと。周りから何も言ってもらえなくなったら、そのときは慢心を疑うべきでしょう。
• 川端 隆史

  ジョーシス株式会社 シニアエコノミスト

  ・2019年07月04日

  この連載を読んでみて感じるのは、日本の知恵の原型は、もう何百年も前にできていたんだなと。古典の深みを感じます。中学や高校で古典や文学作品が嫌いだという学生が多いと感じますが、人生訓として教えることでもっと関心をもって学習ができるのではないかなと思いました。こういう連載、好きです。