【源氏物語】「ときめき至上主義」で生きるヒント

2019/7/3

今「心理学」がウケている理由

石山 今、世界中で「ポジティブ心理学」が流行しています。
もともとの臨床心理学は、うつなどのマイナスの状態をゼロにするために生まれたものです。それを、ゼロからプラスにしようという発想で生まれたのがポジティブ心理学。20世紀の終わり頃に、心理学者のマーティン・セリグマンが始めたと言われています。
アメリカでは、ポジティブ心理学の焼き直しである「サイエンス・オブ・ハピネス」が大流行していたり、大学の講義でもポジティブ心理学が一番人気の授業になったりしているのです。
──なぜ今、ポジティブ心理学が流行しているのでしょうか?
「自分は何が好きなのか」というテーマに向き合おうとする人が増えているのだと思います。これからのAI時代、たいていのことはテクノロジーがやってくれる中で、そもそも自分の好きなこと、やりたいことは何なのか?と。
この文脈でウケているのが、近藤麻理恵さんです。
(Gary Gershoff/WireImage)
アメリカでは、こんまりさんが言うところの「ときめき」を「Spark Joy」と言いますが、すべてを「ときめく」「ときめかない」で分けていくのは、まさに心理学的な話ですよね。
ポジティブ心理学が流行っているのも、Spark Joyが流行っているのも、その反対側でAIのようなテクノロジーが出てきている中で、人間に必要な未来のスキルとして「心理学」がフィーチャーされはじめているということの証しではないかと思います。
そこで、こんまりさんとすごく似ていると僕が思うのが、紫式部なのです。