[セントルイス 25日 ロイター] - 米セントルイス連銀のブラード総裁は25日、米連邦準備理事会(FRB)の理事職就任についてトランプ政権から打診があったが、現在の職務を離れることは検討していないと明らかにした。

ここ数カ月の間に打診があったという。トランプ大統領は空席となっている2つのFRB理事のポストを巡る人事を検討している。同時に、FRBに対する利下げ圧力も強めている。ブラード氏はこれまでに利下げの必要性を主張しており、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)では据え置きに反対票を投じた。

ブラード氏は「打診があったが、現在の職務に満足している」と述べ、こうした話が先に進むかは分からない、とコメントした。

米政権当局者が25日に語ったところによると、トランプ大統領は近くFRB理事候補を指名したい考えという。

ブラード氏は経済学の博士号を持ち、中銀での経験が長いことから上院の承認を得られる可能性が高いほか、早くから利上げ停止を主張するなど、トランプ大統領にとっては多くの条件を満たす候補となる。

ブラード氏は25日、6月に利下げを主張した理由の一部は戦略的なもので、将来の行動を約束するより今動くべきと判断したと明らかにした。

また、FRBが次の会合で25ベーシスポイント(bp)の利下げに踏み切り、年内に2回目の利下げを行えば、経済の「ソフトランディグ」が可能になり、2020年も成長を持続させる一助になると指摘。「FRBの政策はやや引き締め的と感じた」とし、現時点で1回措置を講じ、後にもう1回行動すれば、政策は「やや緩和的」になり、インフレや成長の見通しを下支えするとの見方を示した。

*内容を追加しました。