【迫真レポート】ガリバー野村、金融庁“鉄槌”の「全裏側」

2019/6/21
野村ホールディングスの迷走が止まらない。
2019年3月期に1000億円を超える最終赤字を計上し、5月には東京証券取引所の市場区分見直しに関する情報漏えい問題で、金融庁の業務改善命令を受けた。
行政処分によって法人顧客の「野村外し」が続出し、株式市場の一大イベントである日本郵政株の最終売却においても、幹事証券から弾かれた。
永井浩二・野村ホールディングス(HD)CEOは完璧に求心力を失い、永松昌一HD副社長による人事の壟断で、社内は疲れ切っている。
果たして彼らは取締役再任に値する人物なのか。6月24日に株主総会を控えたガリバー野村の失墜、その責任を負うべき永井CEO、永松HD副社長の罪を問う。
(写真:Akio Kon/Bloomberg via Getty Images)

シンガポールの「醜聞」

金融庁が野村ホールディングスと傘下の野村證券に対して業務改善命令を出した5月28日、永井CEOはシンガポールに滞在していた。
金融庁からの処分受け取りを森田敏夫・野村證券社長に押し付け、自らは野村主催の投資家セミナー、NIFA(Nomura Investment Forum Asia)に出席するためである。
NIFAは毎年5月末にシンガポールで開催され、日本企業・アジア企業、内外の機関投資家が集まる一大セミナーだ。
今年も日本企業・アジア企業約130社、機関投資家約850社が参加し、日本からは太田純・三井住友フィナンシャルグループ社長、芳井敬一・大和ハウス工業社長らが駆け付けた。
ところが驚いたことに、セミナー会場に永井CEOの姿はなかった。