「株主提案」最多の54社 3月期決算、対話重視で機関投資家が積極化
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株主提案関係で最近私が注目している企業は武田薬品工業。
昨年、アイルランドのシャイアー社を6.8兆円で買収し、今期の売上は3兆円超を目指すも、統合費用の増加により赤字決算の見込み。
この買収に批判派の株主からの株主提案を受けているわけですが・・
先週から武田による弁明が止まらない。
まるで選挙中の選挙演説のような?
こういった開示を行う企業は、あまり見たことがない気がします。
自社の想いを伝えるということはとても大事ですし、先行事例として、大変勉強になりました。
6/14 第143 回定時株主総会における会社提案議案への賛成推奨について
https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/bqziqo/
6/17 武田薬品の坂根正弘取締役会議長によるクリストフ・ウェバー氏への信任表明ならびに第143回定時株主総会議案に対する考え
https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/br5ymm/企業と株主の対話、企業価値・株式価値拡大のために重要と思います。
が、会社法改正案における株主提案権規制の影響は今後出るのでしょうか。
数の規制と目的の規制が議論されている(されていた?)と理解しています。キーは、株主提案に賛成が集まる構造が、スチュワードシップコードと議決権行使の開示で整備されたこと。
昔は、日本の機関投資家は会社提案に様々な関係上どうしても賛成することが多かった(担当者の問題ではなく、運用部門が総合金融グループの一角という構造問題)。だから株主提案を意味あるものにするためには提案だけでなく相当に株を保有する必要があった。
今は、上記の整備によって、株主共通の利益により資するものが何かの説明責任が明確になった。また整備がされたことで、金融グループとしても様々な関係先に一種横並びで「運用部門の独立した判断で」と説明可能な状態になった。それゆえに、持分が少なくても意味ある提案をすれば、賛成をはるかに集めやすくなっている。
また実際に可決されなくても、一定の賛成や、会社提案に一定の反対が集まる。会社としては会社提案の賛成率が低いことや、株主提案の賛成率が高いことは、気にせざるを得ない。
気にするということは、行動に変化が生まれる。例えば還元政策の発表や改善。形としては自主的な形を取るが、これまで岩盤のように頑なに現金貯めてたりした会社が変わる場合は大体こういう文脈がある。
個人的には会社の自主性は重要だと思うし、ステークホルダーも多い中で過度なアクティズムは好まない。でもそのステークホルダーにはもちろん株主や、年金通した間接保有する国民全体も含む。
金融・市場機能の資源の再分配が全く効いてなかった領域に外圧含めて手が入って、自社・還元、どちらの形でマクロ的成長再投資をしていくのかが問われていくことの意義が極めて大きいと思っている。