【実録】グーグルマップを超える「最強アプリ」を作った男

2019/6/20
デジタル時代において「データ」は宝だ。
世界中の企業があらゆる情報をストックし、独自の活用法で新しいビジネスを模索している。今や、データを持たない企業は生き残れないといっても過言ではないだろう。
もちろんそれは、物理的な動作が伴う「移動」においても同じだ。グーグルがどんなに優秀なアルゴリズムを組めても、その基となるデータがなければ、便利なサービスは提供できない。
そんな中、グーグルよりも深い「交通データ」を持った企業がある。ナビゲーションアプリで知られるナビタイムジャパンだ。
2000年に創業したこの会社は、約30名の調査員が地道に歩きまわり、日本中の交通データを集めてきた。512社あるバスのデータは、11年かけて全てカバーしたというから驚きだ。
NewsPicksはモビリティ革命の重要プレイヤーとして、ナビタイムにフォーカス。
創業者の大西啓介社長を直撃し、480万人の有料会員を抱える経路検索アプリの秘密を聞いた。
大西啓介(おおにし・けいすけ)/1965年生まれ。1993年上智大学大学院理工学研究科卒業。学生時代に経路探索の研究に没頭。祖父が創業した大西熱学に就職後、ナビタイムを開発。2000年に独立。東京大学、東京農工大学、上智大学で客員教授を歴任

日本有数の「サブスク」アプリ

──約20年前の2001年に、ナビタイムは経路検索サービスを開発しています。今では日常的に使われますが、目をつけたのが早いですね。
ようやく昨年くらいから、日本でもMaaSという概念が広がって、鉄道やバス、タクシーなどの公共交通をシームレスにつなごうという動きが出てきています。
でも、それを20年もやり続けている我々からしたら、今頃何を言っているんだというのが正直な感想です。