トランプ氏、未公表の措置を示唆－農産物合意ないとメキシコ困惑

（ブルームバーグ）： トランプ米大統領は９日、メキシコとの貿易に関して追加の措置を発表する可能性があることを示唆した。同大統領は前日のツイートで、メキシコへの関税発動見送りに至った合意の一環として、メキシコが米国産農産物を「大規模」に購入することで合意したと述べている。

「前日のプレス発表で言及されなかった合意がある。適切な時期に発表されるだろう」とトランプ氏は９日朝、メキシコやメディアなどについて連投したツイートの中で述べた。

７日夜に発表された関税発動見送りの共同声明には、トランプ氏がツイートで述べた農業貿易の取り決めは盛り込まれておらず、メキシコの当局者３人も付帯合意は一切承知していないと話している。

マーサ・バルセナ駐米メキシコ大使は９日にＣＢＳの番組で、北米自由貿易協定（ＮＡＦＴＡ）に替わる米国・メキシコ・カナダ協定（ＵＳＭＣＡ）が批准されれば、農産物の貿易が「劇的に増加する可能性はある」と述べたが、農産物に関する米国と具体的な合意には言及しなかった。

原題：Trump Hints at Details; Mexico Still Baffled by Farm Claim (1)（抜粋）

--取材協力：Shannon Pettypiece、Shawn Donnan、Mark Niquette.

記事に関する記者への問い合わせ先：ﾒｷｼｺ市 Nacha Cattan [e-mail];ﾒｷｼｺ市 Eric Martin [e-mail]

記事についてのエディターへの問い合わせ先：James Ludden [e-mail], Ros Krasny、Steve Geimann

©2019 Bloomberg L.P.

コメント

注目のコメント

• 安井 明彦

  みずほ総合研究所 欧米調査部長

  ・2019年06月09日

  一方で、移民・難民部分は、ずっと前から合意していた内容だった、という報道もありますね（Mexico Agreed to Take Border Actions Months Before Trump Announced Tariff Deal：https://www.nytimes.com/2019/06/08/us/politics/trump-mexico-deal-tariffs.html）。何だったのか？ という話ですが、今回の件で不透明感が高まったことに違いはありません。一件落着とは言い難いですね。
• Kato Jun

  ユーザベース SPEEDAアナリスト

  ・2019年06月10日

  合意していないことの事実化、に見える…
  米国・中国と異なり、米国・メキシコのパワーバランスは、メキシコの米国への輸出依存度が高い（下記でコメントした点）。だから今回のいきなりの関税引き上げ発表→トランプ大統領の言い方では「無期限延期」も、早々に合意に至った。
  そのなかで合意していないことを事実化することもパワーバランスのなかで合意させる手法に見える。メキシコとしては合意せざるを得ないかもしれない（合意しないと、トランプ大統領は「合意が履行されていないから、関税費を引き上げる」と言いそう）が、禍根は明確に残るだろう。あと、大統領選対策もある？
  https://newspicks.com/news/3952404
• 小川 健（たけし）

  専修大学・経済学部(国際経済) 専任教員

  ・2019年06月09日

  まさか我が国と勘違いしてtweetしていたりして。
  恐らく日本は合意した筈なので。