[東京/モントリオール 5日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>は5日、カナダの航空機・鉄道車両大手ボンバルティア<BBDb.TO>の小型ジェット旅客機「CRJ」事業の買収に向けて交渉を進めていると明らかにした。

三菱重工は国産初の小型ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の開発を進めているが、当初計画より開発が大幅に遅れており、事業買収で巻き返しを急ぐ狙いだ。

三菱重工は現時点で決定した事実はないとした上で、交渉中であることを認めた。ボンバルティアのCRJ事業は業績が振るわず、売却も含めて今後の事業の方向性が検討されていた。

ボンバルティアも三菱重工と協議中であると認めたものの、詳細には触れなかった。同社株はこの日8%近く急騰した。

両社の交渉については、航空専門メディア「エア・カレント」が先に報じた。それによると、ボンバルディアは複数の相手と交渉をしているが、三菱重工との交渉は進んだ段階にあるとし、交渉がまとまった場合、早ければ6月17日から開催されるパリ・エアショーで発表される見通しという。

三菱重工は今年1月、ボンバルディアに対し反競争的行為を行ったとして反訴したと発表した。子会社の三菱航空機の訴えでは、ボンバルディアが2015年以降、三菱航空機やそのパートナー企業、従業員に対し違法な反競争的行為を多岐にわたり行ってきたと主張。ボンバルディアも三菱航空機に対し企業秘密の不正使用を行っていると訴えているが、事実的根拠や法的妥当性を欠き本拠がないと指摘。ボンバルディアの真の意図は、MRJの開発を阻害し、最終的に市場投入を遅らせることにあると強調した。

*内容を追加しました。