【1万字】怪しさも見抜ける。バランスシートの「本当の読み方」

2019/6/9
決算書に書かれている数字にウソはない──はずだが、その数字は実は作れてしまう。

この決算書の「不都合な真実」について、財務・会計分野のプロとして、20年近くにわたり決算書の近くで仕事をしてきたレノバの森暁彦CFOが解説する。

森氏は、公認会計士として3年、投資銀行のバンカーとして10年、現在は上場企業のCFOという立場で、資金調達や決算書の作成をする「決算書のプロ」。

決算書をチェックする立場、読んで投資に使う立場、実務者として作る立場を知り尽くした森氏が、決算書を巡る、身もふたもない「不都合な真実」を解き明かす。

「成長しそう」より「怪しそう」

まず、財務諸表(決算書)について最初に押さえたいことは、それぞれに「キャラクターがある」ということです。
財務諸表とは、つまり、一定の会計ルールに基づいて企業の経営者が作るもので、そこには「特性」や「クセ」、さらには「限界」があります。
財務諸表を読みこなす側のユーザーが、その「キャラクター」をよく理解すると、財務諸表や会計の数字やデータの裏にあるビジネスの本質が想像できるようになります。