機会を最大限生かす4つの方法

「日和見主義」の起業家とは何だろうか──。
ソートリーダーでスピーカーのジェシー・トーレスによれば、どんなチャンスでもつかむ備えができていて、完璧であることを求めず、生かせる機会を見つけて努力をいとわない人のことだという。
これまでに私が経験したすばらしいチャンスや成功には、ためらうことなく新しい環境に飛び込めたからこそ手にできたものもある。起業家精神というものは、ひとつの機会について考えすぎたり、申し分のないチャンスが来るのを待っていたりしているうちに萎えていってしまうものなのだ。
成功したeコマースマーケターとして私が学んできた大きな教訓のひとつは、多くの場合、完璧なプランを準備していないときのほうが、物事はうまくいくということだ。とにかく始めて、創造力をみなぎらせたほうがいい。なぜなら、どのみち物事が予想どおり進んでくれることなどめったにないからだ。
ではどうすれば、そうした日和見主義の起業家になれるのだろうか。この記事では、成功を目指して私が踏んできたステップをいくつか紹介したい。

1. 日和見的な視野を広げる

経験が増えれば、それだけ新しい視点も獲得できる。旅行すること、本を読むこと、初めての料理や趣味に挑戦すること、恐怖心を克服して新しい環境に我が身を置くこと……それが何であれ、経験を積み重ねることは役に立つ。
コンフォートゾーンから一歩踏み出し、絶えず我が身を新しい環境に置けば、脳を訓練して、より多くの機会を活用できるようになる。
新しいことを経験しなければ、視野を広げることも、創造力を高めることもできない。新しいことに挑戦する習慣を身につければ、自分でも気づかないうちに新たなチャンスを探して見つけられるようになる。
ほかの誰かと有意義な会話をしよう。興味を引かれるトピックについて調べよう。自分の得意分野以外の活動に時間を費やそう。目の前にあるドアを開けて、とにかく中に入ってみよう。次のアイデアやチャンスはどこからやってくるかわからないのだ。

2. 旅をして世界観を広げる

私にとって、日和見的な視野や世界観を広げるいちばんいい方法は「旅行」だ。お互いから学んだり、人と出会ったり、異文化を経験したりすることはとても大切だ。
自問してみよう。人生において、より多くのチャンスに恵まれるのはどちらだと思うだろうか。一カ所にとどまった人か、それともそこを出て、新しいことを経験した人だろうか。
中国にいたときのことだった。現地で私は、アメリカに持ってこれそうな、ある製品を見つけた。この旅行の前に、私がこの種の製品に興味を持っていたかといえば、答えは「ノー」だ。しかし私は、ひとつの製品を新しい市場に持ち込む好機をそこに見出した。しかも、その目標の達成は難しくないように思えた。
私はその仕事に没頭した。さまざまな見本市へ出向き、メーカーと話し、コストを調べた。考えすぎるようなことはせず、とにかく目標に向かって突き進んだ。
その結果、この製品はアメリカの市場で大ヒットとなった。すべては中国で私が一歩踏み出し、新しい可能性を探ったからだった。日和見主義の起業家にとって重要なのは、自身の世界観や経験の活用なのだ。

3. 経験が新たなチャンスにつながることを疑わない

次のチャンスはどこからやってくるかわからない。だがそれは、突然現れて、あなたを驚かせるわけではない。あなたがそれを見つけに行かなければならないのだ。
偉大な起業家のなかには、小さなチャンスを生かし、そこから大きな成果を生み出した人もいる。たとえば、ジム・ポスだ。
ボストンの通りを歩いていたとき、彼はゴミ収集車と、街中に散らばったゴミの問題に気づいた。そして、この問題をある斬新な方法で改善できると確信した。これが起業へとつながり、いまや彼の会社は廃棄物管理のグローバルリーダーになっている。
チャンスが目にとまったときには、圧倒されてはいけない。必要なステップをひとつずつ踏み、そのチャンスから何かを築こう。自分自身が直接経験した問題をスタート地点として、それを自分の専門知識に結びつけて、チャンスに賭けてみよう。それがどこにつながるのかわからないのだから。

4. 「完璧主義の麻痺状態」に陥らず、飛び込んでみる

何かに頭から飛び込もうとしているときに「パーフェクション・パラリシス(完璧主義が招く麻痺状態)」は起こりがちだ。その何かが起業家としての目標である場合は、なおさらだ。その気持ちは私にもよくわかる。
こんなふうにしたいというビジョンがあると、ナーバスになりすぎるあまり、スタートを切れなくなってしまうことがある。それが完璧なものにはならないのではないか、自分が思い描いたとおりにはならないのではないかという恐れのせいだ。
その解決策は、考えすぎるのをやめて、第一歩を踏み出すことだ。マインドセットを「行動型」に切り替えて、とにかくやってみよう。どんなかたちであれ、麻痺しているより、動いているほうがいい。動くことが新しいチャンス、新しい扉、そして新しい可能性へとつながる。
不完全を恐れて、一カ所にとどまっているべきではない。あなたの心のなかにいる日和見主義の起業家と手を握り、目標を達成する準備はできただろうか。
*ジャレッド・ゲッツは、フロリダ州ウエストパームビーチを拠点に、オンラインコースとカウンセリングを提供する企業イーコム・ハックス・アカデミー(eCom Hacks Academy)の創業者兼CEO。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Jared Goetz, founder and CEO of the eCom Hacks Academy/Young Entrepreneur Council、翻訳:ガリレオ、写真:Nastco/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.