【直撃】ワンピースを無料で読ませる「逆転の発想」
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世界全体のマンガ市場の3分の2は日本にあります。これはつまり、マンガにお金を払うのは圧倒的に日本人だし、そもそも人類の中でもマンガを大量に読むのはほとんどが日本人だということです。残りの3分の1はほとんどが中国・台湾、そして韓国です。諸外国のマンガ描きが憧れるのは、日本でマンガを売ることです。世界でも、マンガで何億円もの金を稼げる国は日本だけだからです。
少年ジャンプは、紙媒体として北米市場への進出を試みてきましたが、売り上げが出ず、電子版に切り換えています。世界中にいる日本のポップカルチャーのファン、オタクというのは、ほぼアニメのファンです。日本以外は中国、台湾、韓国にしかマンガ市場といえるほどのものが存在しない理由は、漢字文化圏であることと関係しているのではないかといわれてきました。とにかく、文化の根本的なところに原因があると思われ、日中韓、台湾以外で巨大なマンガ市場が成り立つことは、これから先もないでしょう。そうであるからこそ、日中韓以外は無料で公開するMANGA Plusという電子版サービス、という選択になります。
マンガ表現の場が、pixiv、ツイッターとなり、紙雑誌からスマートフォン、タブレットに変化しても、少年ジャンプは従来のマンガ家との専属契約による囲い込み、編集体制を維持して、善戦しています。資金力とブランドがあるということも大きいでしょう。『ファイアパンチ』『チェンソーマン』の藤本タツキ氏なんかは、編集のサポートがなければ世に出ることはおそらくむずかしかったでしょう。結果としては、ウェブマンガがなければ読者に届かなかった可能性が高いです。『ワンパンマン』に至っては、もともとツイッターに投稿されていたマンガですが、作画も含めてプロデュースすることで、文句のつけようのない整ったマンガになっています。
ネット上での表現がこれだけ発達しても、マンガ家が一人で原作、作画、プロデュースして、営業してマネタイズする、ということは、誰にでもできることではありません。少年ジャンプ編集部は、確かにネットも活用しながら、アシスタントも手配し、営業し、アニメ化までもっていく実績で、その存在意義を示し続けています。昨日に引き続き、後編はウェブ漫画の制作についての話です。紙より、ウェブの漫画の方が軽くて読みやすい内容のもの、またとにかく刺激的な絵を入れるなど作り方にも変化が出てきています。そんな中で未来の編集者のあり方について聞きました。
今まで単行本になっているものをスマホの電子版で読むことが多かったですが、ウェブ発の作品にも面白いものがたくさんあって驚きました。ここ数日は読みすぎて寝不足です。