【直撃】ジャンプを再発明する「ゼロイチ男」の正体
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「ジャンプルーキー!」素晴らしい。ここ数日某出版社社長の発言から、編集者の意義までが問われているようですが、これはプロ編集者が業務を放棄するように見えて俯瞰する、新しいシステムのように思えました。漫画は多くの人に読まれてナンボですもんね。AKBも同じことだ、そういえば。ジャンプの挑戦するスピリットは不滅ですね。
ちなみにフィリピンのオフィスで「MANGA+」で漫画を読んでいるローカル社員がいます。このアプリが集英社発とは知りませんでした。怪しくないんだったら、私もDLしようっと(笑)。元々少年ジャンプの強みは、マンガ家との専属契約による囲い込みにあります。鳥山明や尾田栄一郎、他が少年ジャンプにだけ描き続けることで、栄華を誇ってきました。新人を発掘するところから、デビュー、連載、アニメ化、マンガ家キャリアの始めから終わりまで面倒を見ることで、最高の品質を確保し続けてきました。いわば閉じたエコシステム、マンガ家の終身雇用といえるでしょう。
この閉じたエコシステムを維持するために必要だったのが、編集体制です。嶋鳥氏他、編集者たちが半世紀に渡りマンガ家たちとの信頼関係のもと、ともに作品をつくりだす体制でした。
編集者陣に基づく閉じたエコシステムは、他の出版社では維持することが放棄されてきました。マンガ発表の場はもはや非常に多様化しています。元々、日本にはコミケ以下の同人誌市場があり、出版社はそこにいけば完成した即戦力を見つけることができます。ネットがさらに拍車をかけて、マンガ家は、pixivで、あるいはツイッターで自作を発表できます。kindleなどの電子書籍で販売することも現金化も一人でできます。
この時代にあって、従来の閉じたエコシステムを維持しようとするのが王者ジャンプの矜持です。編集体制があってこそ、最高品質が維持できるという自信があってのことでしょう。この自信は、それなりに実績に裏付けられています。少年ジャンプは、電子書籍市場が本格化する前から、ジャンプスクウェア他新雑誌を立ち上げ、ジャンルの多角化とさらなるマンガ家の囲い込みを続けてきました。
マンガ市場が、完全に開かれた自由競争の市場になれば、編集者も出版社もその役割をほぼ失います。それに抵抗して、閉じたエコシステムを維持するために、少年ジャンプ本誌だけはkindleで売られることなく、電子化しても独自アプリで独占しようとしています。日本で一番売れているあの「週刊少年ジャンプ」という巨大組織が、これまでの常識や概念を変え、デジタル化に向けて続々と動いています。デジタル化になっても変わらないことは、少年ジャンプの漫画は「面白い」ということです。毎年のように名作や天才作家が生まれている。でも、20年前の作品を今読んでも面白い、こんな最強コンテンツはないと思います。
その最強コンテンツである「漫画」を使って、様々なアプリケーションやサービスを開発した集英社の籾山さんのインタビューです。これまでのものをデジタル化して、どのように進化していくかというお話は、漫画業界に限らず、どの職種の方でも参考になるお話だと思います。
前編は、少年ジャンプがどのような戦略なのか、ぜひ読んで、今日発売の週刊少年ジャンプを買ってみてください。