[ワシントン 9日 ロイター] - 米交流サイト大手フェイスブック<FB.O>が内外からの逆風に直面している。共同創業者のクリス・ヒューズ氏が9日、フェイスブックは分割化すべきとの考えを示した一方で、米議会では司法省に反トラスト調査を求める声が上がった。

利用者数が世界中で20億人を超え、2012年にインスタグラムを、14年にはワッツアップを買収するなど、拡張を続けるフェイスブックは、ヒューズ氏の提案を受け入れない考えを示した。

同氏はニューヨーク・タイムズ紙のオピニオン欄に寄稿し、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の権限は前例がないほど強大で米国の風土と相いれないと指摘した。

その上で「フェイスブックを共同創業して15年が経過し、同社を退職して10年になるが、私は怒りや責任を感じている」と告白。「マーク(CEO)は善良で優しい人間だが、彼が企業の成長を優先するあまりサイバー防御をおろそかにし、クリックへの節度を失ってしまったことに憤りを覚える」と心の内を明かした。

またCEOが周りをイエスマンで固めていることも気掛かりだと記した。

さらに、ザッカーバーグ氏が同社の個人情報保護などの問題で責任を負う必要があるとした。

民主党のリチャード・ブルーメンソール上院議員はCNBCの取材に、フェイスブックが分割して司法省の反トラスト部門が調査に着手する必要性を訴えた。

また同党のロー・カーナ下院議員は声明で、米規制当局がそもそもインスタグラムやワッツアップの買収を承認すべきでなかったと指摘。「合併審査を強化し、どの企業にも反競争的なプラットフォームの特権を持たせないようにすることが今後進むべき道だ」と述べた。

エリザベス・ウォーレン上院議員(民主)はこの日ツイッターで「昨今の大手ハイテク企業は全米の経済や社会、民主主義に対してあまりにも影響力を持ち過ぎている。彼らは競争をけしかけ、個人情報を利用して富を蓄え、中小企業をつぶし、技術革新を妨げている。今こそ大手ハイテク企業(#BreakUpBigTech)を分割すべきだ」と投稿した。

フェイスブックはヒューズ氏の提案受け入れを拒否、インターネット規制に焦点を当てるべきだと訴えた。

同社の広報担当者は声明で「成功には説明責任が伴うという考えを当社は受け入れる。だが、成功した国内企業の分割を呼び掛けて、説明責任を強要することはできない」とした。ネットの新規則導入を通してのみ、ハイテク企業が説明責任を果たすことができ、これはまさにザッカーバーグ氏が呼び掛けていたことだと説明した。

*情報を更新、写真を差し替えました。